こんにちは。ウェブアナリストの小川 卓です。
ウェブアナリストに必要な5+1の力の第5回として「情報発信力」を紹介いたします。5+1つの力の概要に関しては以下の記事をご覧ください。
目次
前回の情報収集と、今回の情報発信はセットで伸ばす力です。筆者は「情報は発信するものに集まる」という風に考えています。なので情報を集めるだけではなく、それを発信する役割を担う事もウェブアナリストにとって大切な役割です。
大切なのは「情報そのものが価値があること」そして「この人は情報発信をする人だという事を認識してもらう」の2点です。
発信する情報はどのようなものが良いのか、ウェブアナリティクスで言えば多岐に渡ります。
そして情報をどこで発信するかも、多岐に渡ります。
正解があるわけではないので、Try&Errorが必要かなと感じています。このような作業を行うの手間がかかる事は承知しています。特に「情報発信」に関しては、業務のミッションとして定められるケースは少ないでしょうし、ぱっと見報われない部分もあります。しかし、それが回りまわってお声がけやセミナーなどに繋がったりするのは、筆者は常に実感しています。
情報発信に関しては「趣味的」あるいは「楽な形」で行わないと続きません。週1回気になる記事をまとめて共有するから始めるでも全く問題ありません。
筆者が事業会社に在籍したいた時は、様々な方法で情報発信に携わってきました。自らはじめたものもあれば、協力という形で情報を提供したり文章を書いたりもしていました。その中で、5つほど簡単に紹介いたします。
一番イメージしやすい内容かと思います。以下は筆者がリクルート在籍時に行っていた社内向けの勉強会です。その後、働いたサイバーエージェントでも、アマゾンジャパンでも社内勉強会は非常に重要な情報発信の方法でした。
社内にサポート用のポータルサイトやWikiを作るということもやっていました。特にツールやデータに携わる人(見る人・設定する人・レポートを出す人など)が多い場合は、問い合わせ対応や教育は大きな負荷になります。筆者も一時期、月50件以上の問い合わせに対応していました。こういった問い合わせ(そしてやりとりの回数を減らすために)サポートサイトを企業内に用意するのは非常に重要なのではと考えています。
サイバーエージェントにいた時には分析の横断組織にいたため、事例の共有会は非常に大切でした。いろいろな方式がありましたが、月1回自慢の分析や改善をペラ1で説明する「ギルドバトル」というのが行われており、「事例をわかりやすくまとめる」「他の事例から知見を得る」など役に立つことばかりでした。
大掛かりなものをいくつか紹介しましたが、単純な情報共有も大切です。面白いツール、気になったネット記事、分析事例、セミナーなどとりあえず共有するというだけでも、まずは情報発信になります。あまり難しく考えずに投稿して反応をもらうのが良いのではないでしょうか
情報発信は一方通行ではいけません。行った取り組みに対してアンケートやフィードバックをもらってPDCAを回していきましょう。テーマを変えたり、資料に補足を追加したり、配信する内容を変えたりすることで、より多くの人にとって価値がある情報を提供できます。そしてその取り組みが必ず良い情報収集にも繋がります。
今回は「情報発信力」を紹介いたしました。次回は+1の「Agile」について紹介いたします。お楽しみに!
【プロフィール】
小川 卓(おがわ たく)
ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。
主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。
※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
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