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優れたUX設計のために:ユーザビリティテストでUX上の問題を検出する

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UI/UXについて理解を深め、優れたUI/UXを持ったWebサイトを構築するためにお送りする本連載。
前回記事までは、3回にわたり、優れたUXを設計するための5つの要素「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」についてそれぞれご紹介しました。

今回は、5つの要素を押さえた後、最後にやるべきこととして、検証・テストについて紹介していきます。

「UI/UXを知り、優れたWebサイトを構築する」連載一覧

第一回:良いUI/UXとは何か?Amazonと楽天に見るユーザー体験の違い

第二回:UIとUXはどう違う?UXの基本と、優れたUXを構成する7つの要素

第三回:SEOからSXOへ?SEOとUI/UXの関係

第四回:優れたUXを設計するための戦略:ペルソナ法とストーリーボード

第五回:優れたUX設計のための要件と構造:情報アーキテクチャとインタラクションデザイン

第六回:優れたUX設計のために:ワイヤーフレームとプロトタイプで骨格と表層を作る

 目的を達成しているか確認する

UXは、ユーザーがWebサイトを利用する目的を達成できるかが重要です。ユーザーがどのように考えたり、感じたりしたかを継続的に調査し、UXを改善していく施策を忘れてはいけません。

UXは一度構築すれば終わりというものではありません。初めに立てた戦略や要件は仮説であり、ユーザーとの対話によって検証していく必要があります。

UXを検証する手法

ユーザーからの意見を吸い上げる手法は、いくつか提案されてきており、UXに関する多くの研究がなされてきました。(参考:https://u-site.jp/alertbox/which-ux-research-methods)

手法ごとに、検出する内容や目的が異なるため、適宜、最適な手法を選択する必要があります。

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まず、「何を言うか」に焦点を当てるか、「何をするか」に注目するかという違いがあります。ユーザーの意見に焦点を当てる手法としては、利用したユーザーにインタビューをしたり、複数のユーザーをフォーカスグループとして招集し、意見を交換したりする方法があります。

しかし、人が話す内容と、実際に起こす行動が必ずしも一致しないという事実が知られています。例えば、「赤い購入ボタンは見慣れないので分かりにくい」と言葉で発していたとしても、実際は、目立つ色であるため、容易にボタンを見つけてすぐにクリックできていたかもしれません。

ユーザーの行動に注目したUXテストとして、アイトラッキングがあります。コンピュータにカメラを設置し、ユーザーが画面のどの位置を見ていたかを追跡する方法です。目の動きによって実際の利用状況を具体的に理解できます。また、画面上のどこをマウスで移動し、クリックしたかを追跡するヒートマップという手法もあります。複数のユーザーの行動を追跡した結果として、多くのユーザーが使った箇所を赤く表現し、利用者の行動状況を把握します。

UXの検証方法の軸として、定性的か定量的かという違いもあります。前述のようなインタビューは定性的な情報を取得するのに適していますが、選択式のアンケートなどを実施すれば、より定量的な意見を吸い上げられます。多くのユーザーに異なる条件のUIを提示し、どの条件が最も高い成果を上げたかを調べるA/Bテストも、定量的なUX調査と考えられるでしょう。

ユーザビリティテスト

ユーザーに実際に製品を試してもらった上で製品評価を行う手法はユーザビリティテストと呼ばれます。5人のユーザーにユーザビリティテストを行うと、約85%のUXにおける問題が検出可能であり、加えて、小さな検証を繰り返すのが最もコスト・パフォーマンスが高い方法であるとの調査が報告されました。(参考:https://www.nngroup.com/articles/why-you-only-need-to-test-with-5-users/)

簡単で効果が高いため、多くのWebサイト開発者に利用されている手法です。

準備

ユーザビリティテストを行う目的を検討するのが最初のステップです。特定の機能に関する分かりやすさを検証する等のゴールを設定します。次に、その利用方法で想定されるペルソナに近い被験者を探します。完全に一致する人が見つからなければ、開発者以外の人の中から誰かを選抜し、ペルソナになりきってユーザビリティテストに参加してもらうと良いでしょう。

ユーザビリティテストでは具体的なシナリオを被験者に実行させます。「奥さんの誕生日プレゼントを購入するのを忘れてしまいました。ECサイトを検索から訪問し、適当な商品を選び、購入してみてください。」といった作業を依頼します。

ユーザビリティテストを実施する際には、被験者が普段と同じ状況で作業ができるよう、環境を整える必要があります。企業向けサイトであればオフィス環境で十分ですが、自宅で利用するB2Cサイトであれば、自宅にいるかのようにリラックスできる工夫が必要です。また、被験者の行動を記録するために、ビデオカメラやマウスの動きを追跡する画面キャプチャーソフトウェアなどがあると良いでしょう。

実施

ユーザビリティテストを実施する際には、特別なルールがあります。まず、テスト実施者は、シナリオを説明する司会の役割と、ユーザーの様子を記録する役割があります。テストの内容を説明するのみで、Webサイトの機能やコンテンツについて説明してはいけません。被験者がWebサイトの使い方が分からず止まってしまったとしても、テスト実施者は、ユーザーがそれにどう対応するかを観察する役目があります。

被験者はシナリオを実施する最中、自分が思ったこと、感じたことを口に出すのがルールです。「次にどのボタンを押せばいいのだろう」「文字の色使いは分かりにくい」など、全ての思考を発話することで、テスト実施者はユーザーの考え方を記録できるのです。

あらかじめ決めたシナリオを遂行できないとき、被験者は自分に非があると感じ、テストに不安を抱いてしまうケースがあります。テスト実施者は、シナリオを遂行できないのは製品に非がある旨を解説し、被験者の率直な意見を聞くようにしなければいけません。WebサイトのUXを改善するのが目的なので、うまく使えない人がいるのはUXが十分に作りこまれていない証拠です。

分析

ユーザビリティテストを実施した直後に、テスト中に起きた出来事を振り返ります。ビデオ撮影した場合は、実施者と被験者が録画された内容を一緒に確認し、UX上の問題について議論すると良いでしょう。シナリオ以外でも、気に入った点や気に入らない点について議論すると、UXを改善するヒントとなります。

まとめ

優れたUXを設計するために必要なのは「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」の5つの要素を検討していくことですが、ただ検討し、作って終わりではなく、その後も検証し続けることが大切です。

多くのユーザーの行動を分析し、ユーザーの意見を取り入れながら改善を繰り返すことで、UXはより最適なものとなっていきます。

 

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