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ウェブアナリストに必要な力(その3):施策実行力

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こんにちは。ウェブアナリストの小川 卓です。

ウェブアナリストに必要な5+1の力の第3回として「施策実行力」を紹介いたします。5+1つの力の概要に関しては以下の記事をご覧ください。

ウェブアナリストに必要な5+1の力とは?

施策実行力→施策実行(させ)力

ウェブアナリストがいくら集計や分析をしても売上には直接貢献することが出来ません。貢献が出来るのは分析に基づいた施策が実行され、効果が出た時です。そのために施策を実行に移す能力を身に付ける必要があります。

しかし多くの場合、ウェブアナリストが施策を実行するケースは稀です。上司やお客様に対して分析結果と改善提案をお伝えし、その内容に納得してもらい、施策を実行していただくことが大切です。なので重要なのは自ら施策を実行する事だけではなく、他の人に施策を実行してもらうことです。そのためには「施策実行させ力」を身に付ける必要があります

施策を実行してもらうための4つの方法

施策のイメージ化

1つ目に大切なのが施策をイメージしてもらう事です。そのために施策案には必ずイメージ図をつけるようにしましょう。あるいは同業他社との比較なども良いかもしれません。

例えば、以下の3つのサイトで「パン屑リンク」がついていないのは「キャッシュバック賃貸」だけです(ちなみにキャッシュバック賃貸サイトは筆者がコンサルしているサイトの1つで、今はちゃんとパン屑リンクをつけてもらっています)。

pankuzu

このように同業他社と比較をして、「確かにあったほうがいいね」と思っていただくことは大切です。特に他サイトと比較して劣っているものを修正する場合には有効な方法です。

非対称の優位性

2つ目は非対称の優位性という考え方を取り入れることです。おとり戦略といういい方もできます。例えば、改善提案で以下2つの施策があるとしましょう。

施策 難易度 期待効果
施策1
施策2

この時にどちらの施策を選ぶか?とりあえず「施策1」から始めてみるかとなってしまうかもしれません。しかし、ここに施策3を追加します。

施策 難易度 期待効果
施策1
施策2
施策3 特大

こうすると、3つの中なら、施策3は大変そうだから選ばないでおこう。だけど施策1はあまりよく見えないから「間の施策2を取ろう」という判断になりがちです。

このように実行してもらいたい施策より難易度が高い施策を入れるなど、見せ方によって本当に実行して欲しい施策を選んでもらうという考え方も大切です。より興味がある方は「Decoy Effect」で検索してみてください。

施策の効果予測のロジックを用意する

施策が実行されない理由の代表として、「費用対効果が分からないから」という事があります。あるいは「選ぶための判断基準がない」というケースもあります。もし上記のような理由で施策が実行されなかった…というケースに該当する場合は、筆者が書いた以下の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか?

「改善施策を行ったらどれくらい儲かるの?」という質問に対する回答方法

全てのケースを解決するわけではないですが、考え方を取り入れていただくことで実行率が上がるかもしれません。

施策が実行しやすい環境を作る

ちょっとした変更でも手間がかかる、施策を実行するためのリソースが無いといった、実行の承認まではおりたけど、そこで止まってしまうケースもあります。この時に大切なのは、施策を実行しやすくするための環境作りです。特にA/Bテストツールに関しては、全ての企業に導入されるべきツールだという風に筆者は考えています。改善を促進するための「3種の神器」が使える環境を用意するのも、施策実行力を高めるための方法の一つです。3つのツールとも無料で使えるものがあります。

ウェブサイトを改善するための3種の神器「アクセス解析ツール」「ヒートマップツール」「ABテストツール」

どれか1つだけ力を選ぶなら、実はもっとも大切なのが、この「施策実行力」です。アナリストの役割は「データに基づき、意思決定者に(あたかも意思決定者が自分で決めたかのように)意思決定をしてもらうこと」にあります。

今回は「仮説力」を紹介いたしました。次回は「情報収集力」について紹介いたします。お楽しみに!

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【プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。


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