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「改善施策を行ったらどれくらい儲かるの?」という質問に対する回答方法

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こんにちは。ウェブアナリストの小川 卓です。

ウェブサイトで改善を行うためには「施策」を実行する必要があります。しかし、施策の実行を判断する時に(上司やクライアントから)「この施策を行ったらいくら儲かるのか?」と問われることはありませんか?筆者は企業で働いていたときも、クライアント様の分析を行う際にもよく聞かれる質問の一つです。

この質問に対してどう答えれば良いのか?私はいつも悩んでおります。「実行すれば、コンバージョン数が3倍になって、制作コストなんかあっという間に回収です!!」と毎回言えれば気持ち良いのですが、そういった施策ばかりではありません(というか、そういった施策はサイト内改善においては非常に稀です)。ぶっちゃけ「やってみないとわからない」という施策も沢山あります。

そこで「改善施策を行ったらどれくらい儲かるの?」という質問の背景を考えてみることにしました。

何故、「改善施策を行ったらどれくらい儲かるの?」と聞かれているのか?

これは理由は当たり前の事でした。「施策の実施判断」をするためです。大切なのはその効果を事前に正確に予測する、あるいはシミュレーションをすることではありません。例えばランディングページを直すことで、「CV数が10%上がる」という予測をしたとしましょう。そして施策を行った結果「CV数が10%上がった」のと「CV率の数が30%上がった」のではどちらが喜ばれるでしょうか?後者ですよね。

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大切なのは正確な予測ではなく、判断に足りうる情報やベンチマーク・ガイドラインを容易することです。ウェブアナリスト(あるいは施策提案者)は施策を最終決定する権限は持っていないと事が多いです。そのため、意思決定者に実行を判断してもらえる情報を提供する事が大切なのです。

では、具体的にどういう風に答えれば良いのか?

筆者の場合は、いくつかのパターンに分けて回答を行います。

似たような施策を他(社内の他サイトや他の企業サイト)で実施していた場合、改善幅を参考値として伝えることはあります。

例)商品詳細ページの情報をコンパクトに纏め、カート追加ボタンをフッター追尾に変えることで、カート遷移率を1.1倍にした実績があります。これと同じ効果が出たとして、それを現在のサイトのCV率などを加味すると、月●●万円の増加になります。

またポイントは月●●万円という期間とセットで伝えることです。一時的なキャンペーンと違い、サイト内の改善(の多くは)その効果が継続します。なのでその月だけではなく、もう少し長いスパンで見た上で費用対効果を考えることが大切ですよというのを伝えるようにしています。

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上記のように参考情報があれば、まだ良いのですが実際には無い事のほうが多いのではないでしょうか。その場合は、もし「●●%改善したら」という仮説を立てて効果を算出することが多いです。例えば「商品一覧」の絞り込み機能やUIを変えた時に、一覧から詳細への遷移率が10%改善したとしたら…というような伝え方です。

この時「●●%改善したら」のパーセンテージをいくつにするか?ですが、私は10%~20%の間で置くことが多いです。これはそれ以下だと効果とは言いにくい、それ以上は(経験上)おこることもあるけど、高めに見積もるよりは低めに見積もったほうが現実的みたいな部分があります。

もう少しロジックを作る場合は「過去3ヶ月の一覧から詳細への遷移率のレンジを見て(例:45%~53%)それを超える数値(例:55%)を設定する事もあります。

 

いずにれせよ大切なのはロジックをもって説明出来ることです。このロジックの組み立てが有れば、「複数施策の中からどれをやるべきかを選んでもらえる」事が多いので、納得いただける形を作るという事を意識してコミュニケーションしています。

まぁ、それでも理想は「とりあえずやってみましょう!」なんですけどね(笑)

 

小川卓 プロフィール画像

【プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。


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