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ビジネスにおけるSEOの重要性

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SEO (Search Engine Optimization) Penguin

上位表示されることの価値

最初はSEOの背景となる部分をお伝えいたしました。第2章ではSEOへの取り組み方に関する内容についてお伝えしたいと思います。まずは、SEOの価値について触れてみます。

総務省によると、平成23年における、インターネットの普及率は日本の全人口比79.1%となったとのことです。

思ったより低いと感じるかもしれませんが、この統計には高齢者や乳幼児などが含まれていることを考えると、これは実際ほぼ100%と言っても良いと思います。ビジネスにパソコンは欠かせないものになりましたし、私生活でも、ガラケーやスマートフォンなど、何らかの形であらゆる人がインターネットに触れています。

 そのインターネットにおいて、あらゆる行動のスタートとなるのが、「検索サイトでの検索」です。インターネット上で何らかの行動を取るすべての人の出発点となるこの検索サイトでいかに露出を高めるかの重要性について、異論をはさむ方はあまりいないと思います。また、検索エンジンで露出を高めることの価値は、「人が集まる」というだけでなく、「その人のニーズが分かる」という点です。

テレビCMで積極的に自動車保険のCMを打ち、1000万人の目に触れたとしても、その中で自動車保険への加入に興味がある人は、ほんの一握りでしょう。しかし、検索エンジンで「自動車保険」と検索した人であれば、自動車保険にかなりの興味があることは確実です。日本では、「自動車保険」を含むキーワードで、月間約40万回の検索が行われています。」検索エンジンで、「自動車保険」で1位になれば、このユーザーに対して、自社のサイトへの誘導を図ることができるわけです。

次の表は、検索順位とクリック率の関係の調査結果です。

出展:http://seo.septeni.net/seo/540.html

いくつかの機関の調査結果が比較されており、検索ワードなどにより差はありますが、だいたい1位と5位で4倍~10倍、1位と10位だと10倍以上クリック率に差があります。2ページ目以降になると、クリック率はさらに下がってしまいます。

また、ビッグワード(検索ボリュームが多く、競争の激しいキーワード)ほど上位と下位の差が大きく、テールワード(検索ボリュームが少ないキーワード)ほど上位と下位の差が小さいことも見て取れると思います。これは、ビッグワードであればすぐに目的のサイトにたどり着くのに対し、テールワードにおいては目的とは違うサイトも表示されがちなため、検索結果の下の方まで情報を探しに行くケースが多くなることが要因の1つにあると考えられます。

これらの情報を見ていただくと、検索エンジンで上位に表示されることの価値について、理解してもらえるのではないかと思います。

SEOの強み弱み

そんな検索エンジンでの上位表示を実現するための施策を行うのがSEOですが、SEOにも強みと弱みがあります。

SEOの強み SEOの弱み
・ニーズを持ったたくさんの人に接触できる。効果が大きい
・表示自体には費用が掛からない。
・一度上位表示をしてしまえば簡単には下がりにくい。
・ブランディングの効果が高い。
・効果が出るまでに時間がかかる。
・長期的なプロジェクトになる。
・対策のために費用をかけたからと言って、かならず上位表示されるとは限らない。
・社内にSEOに関するノウハウが必要。
・ビッグワードで自社よりも強い競合に勝つことは容易ではない。
・検索エンジンの仕様変更に振り回されることがある。
・過剰なSEO対策はリスクが大きい。

先にも述べた通り、ニーズの大きなワードで上位表示されたときのSEOの効果は劇的です。自社の商品やサービスに対してニーズを持ってくれているユーザーがたくさん集まってくれます。しかも表示自体は無料ですので、何万アクセスされようが費用は変わりません。また、検索エンジンが客観的な指標に基づき順位を決めているため、大きなアルゴリズムの変動がない限りは上位が大きく変動することは少なく、安定した訪問者を見込めます。また、検索結果で1番上に表示されるということは、強いブランディングにもなるため、訪問者の信頼も厚くなり、売上に繋がる可能性も高まります。

一方、弱みはどういった点が挙げられるでしょうか。1つには、強みで挙げた「簡単には下がらない」の裏返しで、「簡単には上がらない」という点です。短期間で成果を上げるのは困難ですし、リソースが少ない立場のサイトがコンテンツの充実した大企業のサイトに勝つことも簡単ではありません。知識も作業工数も必要です。

また、それまでグレーゾーンだった施策(例えば自作自演リンクやキーワードの過剰な詰め込み)が検索エンジンの仕様変更によって取り締まられるようになり、サイトが再起困難なほどの大打撃を受けてしまうようなケースも存在します。ですから、SEOに取り組むにあたっては、強みと弱みを認識した上で、最適なアプローチをとることが必要と言えます。

ウェブサイトへの集客手段はSEOだけではありません。SEOとの対比として、リスティング広告とアフィリエイト広告についても軽く触れておきます。

リスティング広告は前の章でも触れた通り、検索エンジンにおいて表示される広告です。キーワードに対して1クリックあたり○円という形で入札を行い、入札競争により表示順位が決まります。サイトの質も入札競争の1要素として見られてはいますが、SEOとは違い「入札金額」はコントロールできますので、お金さえかければ誰でも最上位に表示させることができるわけです。(※サイトで提供するサービスと全く無関係のキーワードに対しては、審査が通らないため、いくらお金をかけても表示はできません)

ですからリスティング広告は、SEOに比べるとコントロールのしやすい集客手段といえます。一方、クリックされるごとに費用が発生するため、SEOと比べると収益性は悪くなりがちです。また、クリック課金のため、ターゲットではないユーザーばかりクリックするような出稿の仕方をしてしまうと、費用ばかりかかり成果につながらないこともあり得ます。

 アフィリエイト広告という集客手段もあります。こちらは、世の中の「アフィリエイター」という人たちに、自社のサービスを紹介してもらい、そのサイトから成果につながると、成果報酬で広告料を支払うというモデルです。

成果報酬のためリスクは少なく、また口コミ効果が期待できるというメリットもあるのですが、リスティングほどの即効性はなく、またアフィリエイターの動きをコントロールできないため、例えば古いサービスの情報がアフィリエイトサイトにいつまでも残ってしまいユーザーを混乱させてしまうというようなリスクがあるというデメリットもあります。
 また、一部アフィリエイターの中には、あの手この手を使い不正に報酬を得ようとする輩もいるため、そういったリスクはある程度見込んだ上で着手をする必要があります。

ここでは、2つの代表的な広告について触れましたが、他にも「純広告」「アドネットワーク」「DSP」「バーティカルメディア」「ソーシャルメディア」などなど、ウェブ上には様々なプロモーション手段があります。他の集客手段と比べ、SEOにどのような特徴があるのかを理解しておくことはとても重要です。

インハウスSEOのメリット

さて、こんなSEOですが、実際取り組むにあたり方法は2つあります。社外のリソースを使う方法と、社内のリソースを使う方法です。

社外のリソースを使う方法は、SEOのサービスを行っている会社に依頼する方法です。SEOのサービスを行っている会社は世の中にたくさんあります。そういった会社に依頼してサイトを診断してもらい、サイトの修正を行ったりコンテンツを製作したり(あるいはリンクを構築したり)して、上位表示を目指すわけです。

SEOにはたくさんのノウハウが必要となるため、社外のリソースの活用は不可欠と言えるかもしれません。ただ、SEOの会社にはピンからキリまであり、ひどいところになると、「10位以内に入ったら費用発生の成果報酬」をうたいながら現実には何も対策は行わず、運よく順位が上がった時だけ請求してくるような詐欺まがいの会社まであるのが実情です。

社内のリソースを使う方法は、専任(または兼任)で担当者を置きSEOの施策を運用する方法です。このような企業内で行うSEOやそのSEO担当者のことを「インハウスSEO(担当者)」と呼びます。インハウスSEOには、以下のようなメリットがあります。

<SEOのノウハウを蓄積できる>

もし、SEOについての知識を持たず、完全に社外に丸投げをしてしまうと、社内にノウハウが蓄積しません。また、前述の通りSEO業者にはピンからキリまでありますので、その提案の内容を適切に判断するには、交渉をする側も知識が必要です。加えて、SEOは継続的に行うべき施策です。一度行えば終わりではなく、サイトのコンテンツが増えればチューニングが必要ですし、検索エンジンのアルゴリズムが変われば、サイト側で取るべき対応も変わります。業者とずっと契約をし続けることももちろん可能ですが、社内に担当者がいた方が効率が良いことは間違いないでしょう。

<全社的な取り組みを行いやすい>

SEOは色々な要素を含んでいるため、実際に行う施策は多岐に渡ります。システムの改修のためにはSEが動きますし、サイトの修正のためにはwebデザイナーが動きます。サイトのコンテンツを作るために営業担当が顧客からお客様の声を集めることが必要になることも有りますし、取引先に相互リンクをお願いすることも有り得ます。こういった動きは社外の業者だけでは困難ですので、インハウスSEOを置かないSEO施策は、部分的かつテクニカルな施策になりがちです。これは短期的には効果は出ますが、本質的な改善には繋がらない場合も多々あります。

<最終的にはインハウスSEOの方が成果が出る>

インハウスSEO担当者を置いたとしても、最初は知識もありませんし、どちらにしても外部の業者を使うことは必要になるため費用がかさんでしまうように感じられるかもしれません。しかし、SEOのノウハウがたまっていけば、それを補って余りあるリターンが帰ってくるはずです。勘違いをされる方が多いのですが、実は、SEOは技術的な要素よりもマーケティングの要素の方が重要なのです。

第1章の「googleのポリシー」で取り上げた内容を思い出してください。Googleは、「ユーザーにとって良い体験をもたらすことができるサイト」を上位に表示しようとしています。あなたのサイトのユーザーの満足度を、SEO業者が上げられるでしょうか?ユーザーは、「あなたのサイト」のお客様のはずです。

外部のSEO業者は、SEOに関してはプロかもしれませんが、「あなたの会社」のことを一番よく分かっているのは、あなたの会社の社員です。顧客のこと、自社サービスのこと、商品のこと、仕入れのこと。それらをよく理解しているからこそ、どのようなキーワードが効果的で、どのようなコンテンツがユーザーの胸に刺さるかが分かり、どのような改善がユーザーの満足に繋がるのかを施策に落とし込むことができ、それがSEOの成果に繋がります。

SEOのノウハウは、それを実現するためのツールに過ぎません。社外だけで取り組むのか、社内だけで取り組むのか、あるいは両者を併用するのかを問わず、この原則を認識しておくことはとても重要です。
(注:ここでは、「ユーザーに良いサイトを求める」という原則の重要性ばかりを強調しましたが、この原則を押さえておけば大丈夫な訳ではありません。この原則は「十分条件」ではなく、「必要条件」です。基本的なSEOのルールを押さえなければ、効果には繋がりませんので、ご注意ください。)

インハウスSEO担当者成長のためのステップ

インハウスSEOを置いた方が良いということは分かったとして、ではどのようにその担当者を見つければ良いでしょう?紹介会社に依頼することも一つの手ではありますが、優秀なSEO担当者はなかなか転職市場に出てきませんので、即戦力を見つけるのは簡単ではありません。現実的にはは、一から育てる(あるいはあなたが育つ)ことをお勧めします。

もちろん、単純作業ではないため地頭も必要ですし、ITに抵抗がある人には向いていないかもしれません。また、学習意欲が何よりも大切です。しかし、本当に必要なのはこれぐらいで、あとは、正しく学んで成長していけば、将来的にはサイトに大きな収益をもたらすインハウスSEO担当者に成長できるでしょう。また、この資料がそのインハウスSEO担当者の教科書になってくれればとも思います。

参考までに、日本の著名なSEOコンサルタントの一人である、辻正浩氏が紹介していたSEOに必用なスキルセットを紹介してみたいと思います。

出展:http://webweb.jp/blog/seo/sem-skill/

いかがでしょうか。難しい単語もたくさんあり、「無理だ」などと思ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、逆に言うと、これらすべてを高いレベルで兼ね備えている人間など、この世に存在しません。また、これは日本のトップレベルのコンサルタントに必用なスキルなので、インハウスSEO担当者に必用なものはもっと少ないです。それに、新任SEO担当がそれまで持っていた武器が、SEOに生かせるということでもあります。

実際にSEOの担当者がSEOのことを新たに学んでいくにあたり、参考になるサイトをいくつかご紹介します。

■基礎
ウェブマスター向けガイドライン
SEO 検索エンジン最適化

■最新情報
Google ウェブマスター向け公式ブログ
海外SEO情報ブログ
SEMリサーチ

「SEOに取り組まない」という選択肢

ここまでSEOの重要性について述べてきましたが、この章の最後であえて逆のことをお話しします。それは、「SEOに取り組まない」という選択肢もあるということです。SEOは手軽な作業ではありませんし、競争相手のいる問題です。どんなにリソースを注いで最善のものを作ったとしても、競合がそれ以上のリソースを注ぎ、それ以上に良いサイトに仕上げられてしまえば、それより上位には表示できません。検索結果1位のポジションは1つしか無いのです。そういう意味では、「取り組まない」も含めて、どこまで取り組むかの判断はとても重要です。

 また、強み弱みの節でも少し触れましたが、集客手段はSEOだけではありません。もし、サイトのページ数が極端に少なく、コンテンツの充実が難しいようであれば、SEOはあきらめた方が良いかもしれません。完全会員向けコンテンツばかりのサイトの場合も同様です。楽天市場などのように検索エンジンよりも重要な流入経路がある場合も、SEOの重要性は低いでしょう。

また、事業上の競合ではないがキーワード上は大規模サイトと競合してしまうような場合なども、SEOの効率が悪くなりがちです。あるいは、短期的なキャンペーンサイトなども、長期戦になるSEOはあまり向いていないでしょう。
これらのような場合は、SEOはあきらめ、リスティング広告やアフィリエイト広告など、別のプロモーション手段に比重を置いた方が賢明だと言えます。


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