「この商品を買った人は、こちらの商品も購入しています」Amazonの取り組みによって有名になった推薦システムは、ECサイトには欠かせません。
商品の特徴と、これまでに購入したユーザー層の特徴を組み合わせてデータ分析を行うと、優れたレコメンドシステムが構築できます。
靴下の製造・小売りを専門とするタビオ株式会社はECサイトを運営し、高品質な商品を低価格で販売する方針をとっていました。Eメールによる販売促進を行っていたものの、顧客データを十分に分析していなかったため、期待されたほどの効果を上げていないと思われていました。
同社は会員データ、商品データ、購買履歴、商品レビューを組み合わせて分析し、どの顧客にどの商品をリピート購入してほしいかを導き出す分析手法を開発しています。
過去の購買履歴を考慮しているため、適切なユーザーに適切な商品を推薦できるのがメリットです。改良したEメールは、開封率が2倍、クリック率が2.2倍、そして購買金額は1.5倍という効果を得ています。
イギリスのスポーツ・ファッションブランドJD Sportsは「Millets.co.uk」と「Blacks.co.uk」という二つのECサイトを運営しています。
コンバージョン率の向上を目指し、A/Bテストを始めとする施策を実行する中で、レコメンドシステムの改善にも手をつけました。JD Sportsのレコメンドシステムの特徴は高度にパーソナライゼーションされた点です。
Amazonでよく知られるように、「この商品を買った人は、この商品も買っています」というレコメンドシステムはJD Sportsも使用しています。さらに、同社のマーケティング担当社員がルールを適宜作成し、より精緻な推薦システムを作成するようになりました。ブーツとその手入れ用品といった組み合わせを定義しています。結果として、3倍以上のコンバージョン率を達成しました。
レコメンドシステムを売り上げにつなげるためには、Eメールマーケティング同様、顧客の購入履歴のデータをうまく蓄積していくことが重要になります。そこから、JD sportsのような精度の高いパーソナライズを行っていくことでその効果が最大限に発揮されることがわかりました。
今回で、CRM(顧客関係管理)から収益の向上を図った事例の紹介を終えます。これまでの記事はこちらからご覧ください。
CRMで収益向上を図ったECサイト事例