これまで、ECサイトの事例を、顧客の心を掴むためには、という視点からご紹介してきました。 今回は、第4回ということで、近年登場したチャットボットについて見ていきましょう。
カスタマーサポートに電話をかけたとき、電話口の前で延々と待たされた経験はありませんか?ECサイトで購入する前に何か質問をしたいユーザーにとって、回答の得られない電話サポートは非常に腹立たしいものです。
最近は24時間365日、自動的にユーザーサポートを行うチャットボットが導入されてきました。FacebookやLINEといったテクノロジー企業が率先して人工知能技術を開発しており、チャット形式で対話すると、ユーザーが求める回答が得られる仕組みです。
FAQ(よくある質問)の代替だけではなく、商品選択の支援も行えるため、販売員の代わりに商品提案を行う使い方も考えられます。
オフィス用品販売で知られるアスクルが、ECサイト「LOHACO」を開設し、個人向け通販に参入しました。文房具に限らず、食品・日用品・化粧品・医薬品・家電製品など豊富な品揃えが魅力です。業界最速と言われる急成長を遂げる同サイトでは、増加する顧客からの問い合わせ対応が課題でした。
ECサイトは24時間開いているにも関わらず、顧客窓口は日中のみの対応なので、質問が解消されなかったユーザーは購入をためらってしまいます。 アスクルはチャットで質問すると適切な回答を返してくれる人工知能チャットボット「マナミさん」を導入し、24時間対応を実現しています。
2014年9月の導入以来、使い勝手の向上を進め、全問い合わせの3割以上をチャットボットが対応するに至りました。ユーザー満足度の向上と共に、サポート側の省力化にも貢献しています。
https://lohaco.jp/support/index.html
欲しい家具が見つからない、プレゼントに何を買えばよいか分からない。そんな場合は専門家の力を借りたいと思うでしょう。
Operatorのアプリを使えば、店舗に行かなくても、チャットボットにメッセージを送るだけで、適切な回答が得られます。Operatorは24時間365日、いつでもショップスタッフや同社が抱える専門家とマッチングし、その人に合った商品の推薦を返す仕組みになっています。
ユーザーから見ると、膨大な情報の中から商品を探す手間が省けたり、アドバイスに基づいて満足できる選択できたりするというメリットがあります。
人工知能型チャットボットがカスタマーサポートや販売員の手助けを行うこともできるようになり、24時間買えるという、ECサイトの強みをより生かすことができるようになりました。
また情報量が膨大になり、選択肢が増えすぎることでユーザーが購入を躊躇してしまう可能性もありました。しかし、Operatorのような専門家とのつながりによって、課題の解消どころか、満足につなげることができるようです。
これまで、4回にわたって顧客の心を掴むという視点からECサイトの事例をご紹介してきました。
顧客の心を掴んでECサイトを成功させるために知っておきたい事例
次回からは、最適な顧客層へ最適なメッセージを届け、収益を上げていくためにということで、CRM(顧客関係管理)を上手に連携させるために知っておきたいECサイト事例をご紹介していきます。