以前の記事(モバイル優先インデックスに向けて実行したい5つの基本SEO)で、モバイルインデックスの最適化には、まずサイトのスピードを速くすることだと話しました。その際、私はAMP(Accelerated Mobile Pages)を利用することを提言しました。しかし、モバイルインデックス登録の際、デフォルトのAMPでは優先されないことをGoogle社員がTwitterで明言したことが分かりました。
そもそも「モバイル優先インデックスに向けて実行したい5つの基本SEO」という記事を書いたのは、2016年11月の始めにGoogleがサイトのインデックス登録をする際、デスクトップバージョンではなくモバイルバージョンを先に評価していくと公式発表しました(参照:Googleのインデックス登録がデスクトップからモバイル優先に!?)。このアップデートで、これまでモバイルページのSEOへの影響が曖昧だったのが明確になり、サイトのモバイルバージョンの必要性が一層高まりました。
このニュースをきっかけに「モバイル優先インデックスに向けて実行したい5つの基本SEO」という記事を書いたわけですが、モバイルバージョンのインデックスで重要視される1つの要素はスピードです。ローディングスピードはモバイルユーザー体験を向上させるものとして、Googleは非常にスピードに重きを置いていました。
モバイルローディングスピードと言えばAMPが思い浮かびます。AMPを簡単に説明すると、キャッシュコンテンツであり、普通のページより1/8のデータ量で、4倍速いローディングスピードで現在非常に注目されているものです。Googleは、AMPはモバイルユーザー体験のクオリティを高めるものとして重要視しており、今どのサイトもAMPを利用出来るになっています。
これらの事実から、アメリカのマーケティングメディアも私も、てっきりAMPはインデックス優先されるモバイルバージョンの1つだと思い込んでいました。しかし先週末、Google社員のツイートでAMPはモバイルバージョンに含まれないことが明らかになり、モバイルページと認識させるにはチョットした仕掛けが必要だと言うことが分かりました。
「負ける」と言うと大げさかもしれません。例えば、モバイルバージョンとAMPバージョン両方をデザインしてコーディングしていくのは面倒くさいので、とりあえず今流行のAMPバージョンだけを作ろうと考えている人がいるとします。AMPは一応モバイルフレンドリーコンテンツですからね。
その際、GoogleはPCバージョンではなくAMPバージョンを優先してインデックス登録、評価していくと思う人が多いかもしれません。しかし、Google社員のツイートによれば、この場合もAMPバージョンは利用せず、PCバージョンを評価していくと述べています。
方法は至ってシンプルです。AMPを作成する際、コードでGoogleに「これはスマホバージョンですよ」と知らせてあげることです。 そのために利用出来るコードは、rel=”alternate”があります。この中に、スマホバージョンのURLを埋め込んであげれば、GoogleはAMPをスマホバージョンと認識して、優先的にインデックス、評価していきます。
AMPはPCバージョンだけでも作成できます。しかし、AMPをモバイルページとGoogleに認識させるには、モバイルバージョンを持つことが必要なので、しっかりとしたモバイルSEOを行いたいなら、「PCバージョンとAMPバージョンだけでいいや」という選択肢はなくなりますね。
@rustybrick @maileohye @AlanBleiweiss but with the default amp setup desktop is picked. I dunno of any site that has only desktop+amp tho
— Gary Illyes (@methode) November 16, 2016
最後に上記が、今回の記事で述べたGoogle社員のツイートです。簡単に意訳すると
AMPをモバイルバージョンにすれば、AMPは優先的にピックアップされる。だが、デフォルトAMPのセットアップだと、AMPではなくデスクトップがインデックス登録にピックアップされる。まぁ、デスクトップとAMPバージョンを持っていて、モバイル版を持っていないサイトを見たことはないけどね・・・
となります。
Google社員が言った様に、なかなかPCバージョンとAMPバージョンを持っていて、モバイルバージョンを持っていないサイトは少ないと思います。しかし、もしかすると皆さんの中に、「モバイル版のためにAMP対策だけしとけばいいや」という風に考えていた人がいるかもしれません。そういった人は1度思いとどまって、まずはモバイル版を作ることに専念しましょう。
もちろん、モバイル版を持っていなくてAMPだけという場合でも、ユーザー体験の向上に繋がるので、長期的に見てプラスになる可能性はあります。しかし、SEO対策の入り口はインデックス登録です。サイトマップを送って、クローラーを呼び込む際、始めからモバイルバージョンがあって評価してもらえれば、良いスタートダッシュを切れますね。モバイルSEO対策に向けて、是非今回の記事を参考にして下さい。
参照: Search Engine Land, Google may pick desktop over AMP page for the mobile-first index