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コンバージョン最適化のステップ〜Part1:良いコンバージョン率を定義する

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良いコンバージョンとは何か探る

「Eコマースサイトの売り上げが伸びないが、どうしたら良いか分からない」「集客はできているが、成約につながらない」と思ったことはありませんか?

Eコマースサイトの目的は商品を売ることです。サイトの目的を果たすためには、集客だけできたとしても意味はなく、「訪問者」を「購入者」に転換する必要があります。購入する人の割合が増え、購入する金額を増やすことができれば、当然サイト全体の売り上げや利益率の向上につながります。

ですが、現状の購入者を増やすための取り組みとして、「コンバージョンボタンは赤にする」や「入力フォームは少なくする」などの表面的な手法に頼ってはいないでしょうか。これらの効果は限定的なため、一歩更に踏み込み、ユーザーの心理を理解し自社の商品特性に合った包括的な施策が求められています。

Eコマースサイトで購入者の割合を増やし、自社が掲げる成約率を達成する包括的な手法は「コンバージョン最適化(Conversion Rate Optimization)」と呼ばれます。CROは、画面デザインに限らず、コピーライティングや決済手法・配送手段の提供、会員システム・メールマガジンの構築など多岐に亘ります。

よいコンバージョン率とはなにか。

Eコマースサイトのコンバージョン率は3%が目安

コンバージョンはWebサイト運営者にとって最も重要な指標の一つです。コンバージョンはもともと、“転換”を意味します。WebサイトやEコマースサイトの運営においては、単なる閲覧者が購入者へと“転換”される様子をコンバージョンと呼ぶのが一般的な定義となりました。コンバージョンは売り上げの増加や見込み顧客の獲得といったWebサイトを運営する目的と合致するため、それを管理・改善させていく施策が重要になります。

コンバージョン率=コンバージョン数÷アクセス数

コンバージョン率(コンバージョン・レート。CVR)を計測するのが、評価・改善の基礎となります。例えば「Webサイトが閲覧された回数」から「購入まで至った回数」を割ってコンバージョン率を計算する、という使い方をします。コンバージョン率が業界平均と比べてどうか、先月の値と比べて変わったか、画面デザインやキャッチコピーを変更した影響があるか、といった検討を行う際のKPI(重要評価指標)としてコンバージョン率が有効です。

小売・Eコマース業界ではコンバージョン率の目安は3%程度と言われます。そして、この目安は業界によって異なってきます。

  • コンサルティング、ファイナンス:10%
  • メディア・出版:10%
  • その他:8%
  • 教育、医療:8%
  • ソフトウェア、Webサービス(SaaS):7%
  • 機械、ハードウェア:5%
  • 製造、梱包品:4%
  • 旅行、接客:4%
  • 小売、Eコマース:3%
  • 非営利:2%

コンバージョン率の分析で注意する必要があるのは、その定義です。何を持って「コンバージョン」とするかはWebサイトによって異なるからです。

コンバージョン率の変動要因

コンバージョンの定義

コンバージョンと一口に言っても、“難しい”コンバージョンと“易しい”コンバージョンが存在します。“難しい”コンバージョンは旅行の予約や商品の購入と言った例が挙げられます。“易しい”コンバージョンとしては、資料請求やメールアドレスの登録が考えられます。

購入と資料請求ではユーザーが要求されるコストやリスクが大きく異なります。それによって、とるべき対応も変わってきます。例えば資料請求であれば、詳細な情報提供よりも、登録作業がスムーズに行えるかの方が重要です。印象的なキャッチコピー、解りやすい画面デザインがコンバージョン率の工場に寄与します。

商品の希少性

コンバージョン率に影響する要因には、Eコマース特有のものもあります。まず、ニッチな商品を取り扱っている場合、そのコンバージョン率が高くなる傾向が報告されてきました。ここでは、他では滅多に売買されないアンティークショップのEコマースサイトを例に考えてみましょう。

Webサイトを訪問するのは「アンティーク」といったキーワードで検索を行い、特定のニーズを持ったユーザーに限られます。ニッチなキーワードを使っているため、興味がないのに誤ってサイトをクリックしてしまうケースが少なく、サイトのアクセス数が限定されます。さらに、他のサイトで売っていない商品を取り扱っていれば、そのサイトで購入する動機が高まるため、成約率が高まります。結果的に「コンバージョン率=コンバージョン数÷アクセス数」の公式により、コンバージョン率が高くなる傾向が現れるのです。

広告展開の有無

ユーザーの質という観点では、広告を多く出稿しているサイトほどコンバージョン率が上がる傾向が見られます。自然検索より、広告をクリックした人の方が商品に対する興味が強いため購入に至りやすいためです。

季節や時期

季節や時期によるコンバージョン率への影響も考えられます。クリスマス前など消費者の購買意欲が高いシーズンでは、多くのEコマースサイトでのコンバージョン率が向上します。一方で、2月や8月は一般的に売り上げが落ちる月とも言われ、Eコマースサイトでも影響が見られます。

運営歴とリピーターの割合

最後に、サイトの運営歴、具体的にはリピーターの存在によってコンバージョン率が上がります。初めのうちは、どのような商品がどのように提供されるのか、確認している段階のユーザーもいるため、アクセス数を稼いでもコンバージョンまで至らないケースがあるためです。

自社の経験によって良いコンバージョン率を定義する

コンバージョン率には様々な要因があるため、絶対的に決められる指標はなく、“良いコンバージョン率”を定義するのは困難です。コンバージョン率の使い方としては、相対的に使うのが賢明と言えるでしょう。時系列で比較したり、施策による変化を計測したりする使い方です。1~3%と言われるEコマースサイトのコンバージョン率は、あくまで“目安”として考え、自社としての目標値を高い精度で定義していく取り組みが必要になります。

まとめ

今回は”良いコンバージョン率”を定義するための要素を見てきました。コンバージョン率の目安は業界によって異なり、Eコマースでは3%となっています。また商品の希少性やリピーターの存在等によって、コンバージョン率は影響を受けています。そのため、自社の運営した経験によってコンバージョン率の目標値を決めるべきということがいえます。

良いコンバージョン率を定義したら、次にどのように管理していくかを考えなければいけません。その上での問題として、コンバージョン率という数値を具体的な改善案に落とし込む点があります。購入行動などの最終的な指標に焦点を当てているため、いざ、それを改善しようと思っても、どこから手をつければ良いか分からないことになってしまいます。

そこで、コンバージョンに至るまでの経路を細かく分解して分析する「ファネル分析」の手法が提案されました。次回は「コンバージョン率最適化のステップ〜Part2:ファネル分析による課題発見」ということでファネル分析について解説します。


さあ、KOBITをスタートしよう。