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ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part3 分析の基本方針を決める

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こんにちは。ウェブアナリストの小川卓です。

本連載では「ウェブサイトを分析して改善するためのプロセス」について紹介をしていきます。実際に筆者がどのようなプロセスでサイト分析をしているかをお見せできればと考えております!

「ウェブサイト改善プロセスを学ぶ」連載の記事一覧

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part5 ウェブサイトの分析を行なう

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part4 解析ツールの確認を行う

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part3 分析の基本方針を決める

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part2 「2つの視点」でサイトを利用する(実例付き)

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part1 ヒアリングの実施(チェックシート付き

 

 第3回は「分析の基本方針を決める」になります。前回はウェブサイトを利用して課題や分析の候補を洗い出すという説明を行いました。今回はそこで得られた気づきなどを元に、どういった分析を行うかを決めるプロセスになります。

実際にどのような分析を行うのか。そこには2つの視点があります。それぞれを確認していきましょう。

 

サイトの理解を促進するために必ず見るべきレポート

サイトを分析する上で、必ず見ておいたほうが良いレポートが5つあります。まずはこれらのレポートを最初にチェックしましょう。

時系列の訪問やコンバージョンの傾向を把握する

こちらでは、(可能であれば)直近数年の、難しければ直近1年の基本的な指標の時系列での変化を見つけます。訪問者・訪問回数・ページビュー数・直帰率・コンバージョン率・新規率などの基本的なデータを、月・週・日単位で確認してみましょう。

全体的な増減、季節的なトレンド、そして想定外かつ急激な増減の把握が目的となります。特に最後の急激な増減はサイト改善のヒントに繋がる可能性があります。

流入元とその推移を把握する

流入元ごとの流入数やコンバージョンへの貢献などを確認しましょう。どの流入元からのアクセスが多いのか。まずは一番大きい単位(Google アナリティクスでは「チャネル」単位)で数値を確認し、そこから変化があれば更に内訳(例:ソーシャルメディアやキーワードごと)を見てみると良いでしょう。成果に貢献している集客や広告などを行っていればその効果も可視化することができます。

ランディングページと直帰率を把握する

サイトへの入口ページがどのページになっているかを確認しましょう。ランディングページの直帰率やコンバージョン率から、どのページがランディングページとして良いページなのかを確認してみましょう。また流入が多いランディングページで直帰率が高いページは改善対象の第一候補に挙げられるページになります。

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主要導線の訪問回数と遷移率

多くのウェブサイトでは、利用者に通ってもらいたい導線が存在します。ECサイトであれば、サイト訪問⇒一覧⇒詳細⇒カート⇒決済開始⇒決済完了 になりますし、物件・宿・求人・飲食などを扱っているサイトであれば、店舗一覧⇒店舗詳細⇒予約開始⇒予約完了 といった流れになります。このような主要導線がどのように利用されているのかを把握することは、「どこの訪問が多いか」また「どこで離脱しているか」を把握する上でも大切です。

Googleアナリティクスであればセグメント機能(特にシーケンス)を利用して主要導線の遷移(ファネル図あるいは遷移図)を作成してみましょう。改善ポイントの特定に役立ちます。

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新規・リピート(あるいは期間中の訪問回数)別のデータ

多くのサイトにおいて、新規とリピーターで行動は大きく変わります。新規・リピーターに分けての流入やコンバージョン、閲覧しているページや機能を比較してみると違いが生まれやすいです。またリピーターに関してもまとめて「リピーター」で見るのではなく、訪問回数をグルーピングして分類してみると新しい気付きが発見できることが多いです。

例えば多くのサイトでは、新規よりリピーターの方が購入率が高くなりますが、訪問回数が多すぎると逆に購入率が下がる傾向があります。こういった訪問回数×コンバージョンの分析なんかも参考になります。

また新規・リピート以外にもユーザー属性(Google アナリティクスで取得出来る年代・性別)や地域の情報もあわせて確認し、サイト内の行動において違いがないかを確認しておきましょう。

 

 

仮説に基づいてデータを確認する方法

前回の記事で気づいた点を分析の仮説として利用するという説明しました。そこで仮説とそれに対応する簡易な分析表を作成することをオススメします。

「ページ内にある、お申込みボタンへのリンクが分かりづらい」という仮説であれば、それを確認する方法として、「ページからお申込みボタンへの遷移率を確認する」といった形です。ページを見ての気付きは主に「特定ページ同士の遷移率」や「ページからの離脱率」を見ることをオススメします。

他にも「お気に入りや一時保存」「資料のダウンロード率や数」など特定の機能の活用度合いを見たいケースもあるかと思います。こういったケースの場合は、それらクリックやダウンロードの計測が出来ているかをアクセス解析ツール側で確認をする必要があります。

仮説によって使うレポートは違いますが、「セグメント」機能をしっかり使うことが大切になってくるケースが多いです。自分が見たいデータはどうやってセグメントを出来るかというのを考えてみると良いでしょう。セグメントに関してはまた別の機会で紹介できればと考えております。

Google アナリティクスであれば「イベント機能」や「カスタムディメンション機能」を利用していることが多いです。自分で読み解いても良いのですが、イベントやカスタムディメンションの対応表を他の人(あるいはお客さんが)持っている場合が多いので、その表を入手するのが良いかと思います。

イベントやカスタムディメンション対応表の例003

大切なのは分析を行う前に「あたり」を付けてから分析を開始することです。この作業を行うだけで、その後の分析からの気付きの発見は何倍も違うし、また見る場所が決まっているため作業工数も大きく減らすことができます。ぜひ、分析前の取り組みとして行ってください。

次回は解析ツールの設定確認について紹介をしていきます。分析前に設定チェックを必ず行う必要があります。

 

 

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【プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社のCAOやデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。


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