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ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part1 ヒアリングの実施(チェックシート付き)

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こんにちは。ウェブアナリストの小川卓です。

 今回から数回に分けて「ウェブサイトを分析して改善するためのプロセス」について紹介をしていきます。実際に筆者がどのようなプロセスでサイト分析をしているかをお見せできればと考えております!

「ウェブサイト改善プロセスを学ぶ」連載の記事一覧

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part8 改善提案レポートを構成して作成する

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part7 改善施策を考える

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part6 気付きから改善方針を決める

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part5 ウェブサイトの分析を行なう

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part4 解析ツールの確認を行う

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part3 分析の基本方針を決める

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part2 「2つの視点」でサイトを利用する(実例付き)

ウェブサイト改善プロセスを学ぶ:Part1 ヒアリングの実施(チェックシート付き

 

 第1回は「ヒアリングの実施」になります。ウェブサイトの分析において「データを見て気付きを発見する」という事が重要だと考えられる方も多いかと思います。もちろんこのプロセスは大切なのですが、成果を出すこと(そして誤った方向に進まないこと)を考えた時に、欠かせないのが一番最初に行うヒアリングのプロセスになります。

サイト改善プロセス

以下は私がサイト改善を進める時の主なプロセスと時間配分になります。

項目名 詳細 時間配分
ヒアリング サイトの現況や今までに行ってきたタスク、ゴール・KPIなどを確認し、何が出来るかそして何が出来ないかを確認。また分析の方向性を決める。 2時間
対象サイトの理解 実際にユーザーとしてサイトを利用し、サイトの気になる点などをピックアップ。またURL構造などの把握や分析したいポイントの洗い出しなども行う。同業他社がいる場合は複数のシナリオを立てて利用の比較を行う。 3時間
分析方針の整理 分析と改善の方針をざっくり決める。どこに課題や改善ポイントがありそうなのか(一覧・詳細・カート・コンテンツなど)そしてそれを証明する・把握するためにはどういった分析を行えばよいのかを整理する。 2時間
解析ツールの設定確認 データをどのように取得しているのか、何が取得出来ていて・何が取得出来ていないのかを把握する。必要に応じて先方から設計書の入手、あるいは、今後に向けての実装依頼を行う。その上で、今回の分析において必要なデータの洗い出し・整理を行う。 3時間
分析作業の開始 アクセス解析ツールなどからデータを取得。表やグラフなどを作成し、気付きを箇条書きで記載していく。基本的には画面のレポートをそのまま使わず、気付きが発見しやすいようにダウンロード後、Excelなどで加工しながら行う。 4~8時間
気付きからの施策検討  分析から得られた気づき+過去の知見から施策の候補を洗い出す。また対象ページや箇所のボリューム、そして現在の数値を元に相対的な想定インパクト(大・中・小)を決める。 3時間
資料作成 パワーポイントなど報告用の資料に落とし込む。目次・サマリー・主要な気づき・分析の詳細・改善施策の流れの資料になることが多い。またレイアウトに関してはページのテンプレートを複数用意し、それを活用することでレポート全体の統一感や、記載漏れなどを防ぐことが出来る。  4時間

 上記は新規にサイトの分析・改善依頼をいただいたときに辿るプロセスとなり、合計20時間程度になります(1サイト・1デバイスあたり。デバイスが増えると1.5倍くらいの想定)。

 

ヒアリングの実施

分析に入る前にお客様にヒアリングを行います。1~2時間ほどお時間をいただいて、サイトの事を理解するための質問を行います。以下の3点に注意が必要です。

  • ヒアリングの目的は「分析と施策で何が出来るか・出来ないか」を把握することです。聞いている質問が、その役に立つかを考えながら、あまり関係ない質問はしないようにしましょう。
  • 自分が話すのではなく、お客様に徹底的に話してもらいましょう。間で割って入らず、確認したいことがあれば、その内容を整理した上で(例:今の回答は、〇〇という理解で良いでしょうか。今の内容について、■■という点についても伺いたいのですが…)次の質問をしましょう。
  • メモしながらのヒアリングは非常に難しいです。議事録を取ってくれる方を用意するか、許可をいただいた上で録音をしましょう。

 

筆者が主にヒアリングしている項目は以下の通りです。チェックリスト形式でまとめてみましたので、参考にしてみてください。

1: 貴社ビジネスと対象サイトに関して

□ 貴社のビジネスモデル および 対象カスタマー

□ 今回のプロジェクトを通じて貴社が得たいもの

□ 対象サイト・サービスのビジネスモデル

□ 対象サイト・サービスの想定カスタマー

□ 対象サイト・サービスの想定カスタマーに提供している価値

□ 対象サイト・サービスの同業他社の有無と差別化ポイント

□ 対象サイト・サービスの変遷(立ち上げ・リニューアルなど)

□ 対象サイト・サービスの運用体制

2: 今までの取り組み

□ 対象サイトの「目標」と「KPI」※数値が見れるレポートなどがあれば共有をお願いいたします

□ 目標とKPIがどのように設定されたのか(指標・値・期間の決め方)

□ レポーティングの運用体制・共有対象者や頻度

□ 導入している解析ツール(アクセス解析ツールなど)※導入している解析ツールの設定がわかる資料などがあれば共有をお願いいたします

□ 対象サイト・サービスのPDCA(改善プロセス)の回しかた

□ 対象サイト・サービスに対して今まで行ってきた主な施策(集客・導線)とその結果

3: 解決したい課題、目指したい状態

□ 対象サイト・サービスのゴールを達成する上で抱えている課題

□ 対象サイト・サービスを運営する上で抱えている組織的課題

□ 対象サイト・サービスのKPI設計に関して抱えている課題

□ 改善プロセスやレポーティングに関して抱えている課題

□ 今後予定しているサイト・サービスに対する大きな変更や変化

 

次回は「対象サイトの理解」についてお届けいたします!お楽しみに。

 

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小川卓 プロフィール画像

【プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社のCAOやデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。

 

※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
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