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バーチャルリアリティの普及は現実か?海外で増えるVRマーケティング事例

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woman shopping by VR headset

2016年はVR(バーチャルリアリティ/仮想現実)の年になりました。ソニーのプレイステーションVRやオキュラスリフトが製品を投入し、あたかも現実のように仮想世界を楽しめる環境が揃いつつあります。特に、オキュラスリフトはFacebookの傘下にあるため、同社が得意とするソーシャルメディア・マーケティングとVRの融合に期待が高まっています。既に市場へ投入されているVRの海外事例から、VRマーケティングの未来について考えてみましょう。

新しい顧客体験を提供する仮想現実

インターネット上に情報が溢れる昨今、企業は消費者の興味を惹くのが益々、困難になっています。Web上で広告を出稿し、マーケティング・キャンペーンを実行しても、消費者の記憶に残らず、ブランド・イメージの構築への寄与が高くありません。どの企業も同様な広告戦略をとっているため、競合他社との差別化が難しくなっています。

Webマーケティングで成果を上げるのが困難な時代において、新たなプラットフォームとして注目されているのがVR(仮想現実)です。VRはヘッドマウントディスプレイと呼ばれる大型のゴーグルを着用し、360度にわたって展開されるCG映像を閲覧する技術です。作られた映像と音声ながら、あたかも現実世界のような高い臨場感を抱かせるのが特徴となっています。

VRの活用方法としてはゲーム・教育など、いくつかの手法が考えられていますが、体験型のマーケティング・キャンペーンへの展開にも期待が集まっています。例えば、高級ホテルの施設を案内するには、パンフレットや画像を見せるよりも、仮想現実の世界で、あたかも実際にホテルを訪れたような体験をする方が、強い印象を与えられます。

VRのマーケティング利用を考える上で“体験”を提供できる点は見逃せません。VRの体験は従来のメディアよりも、感情を揺さぶり、強い印象を与えるので、記憶へ残りやすくなります。また、ヘッドマウントディスプレイを装着した“没入型”の体験であるため、内容と関連のない邪魔が入る要素が少なく、ユーザーはコンテンツへ集中できる環境にあります。先行してVRを導入した企業は、他社との大きな差別化が図れるのです。次章では、既にVRをマーケティング・キャンペーンに導入している海外事例を紹介します。

海外のVRマーケティング7選

マクドナルド(スウェーデン)

子供に人気のハッピーセット。スウェーデンのマクドナルドでは、ハッピーセットで提供される紙の箱が、VR用のヘッドセットになる“ハッピーゴーグル”キャンペーンを実施しました。ゴーグルの中にスマートフォンを挿入するとVR体験が楽しめるGoogleカードボードの仕組みを応用しています。スウェーデンの冬季休暇シーズンを前に、スキーを楽しむゲームが話題を呼びました。マーケティング戦略に優れたマクドナルドらしいキャンペーンです。

https://www.youtube.com/watch?v=bnYg752URcE

ブルサン

フランス発祥のチーズ・メーカーであるブルサンは、遊園地のジェットコースターに乗っているようなVR体験を開発しました。ブルサンのアイデアが少し変わっているのは、冷蔵庫の中を動き回る点です。野菜やお肉、ワインなどが冷やされた冷蔵庫の中で、時折、ブルサンのチーズを視界にとらえながら、あたかも実際に動いているように感じられます。オキュラスリフトでVR体験が可能です。

https://www.youtube.com/watch?v=XRik3h5M-qU

パトロン・テキーラ

マーケティングにおいては、商品にまつわるストーリーを伝える手法が、ファンを増やし、利用者の興味を喚起する効果があると提唱されています。メキシコのテキーラ・メーカーであるパトロンは、そのテキーラの製造過程を、非常に美しいCG映像で紹介しました。360度没入型の映像がメキシコ独特の風景や、工場の様子を詳細に描いています。単に楽しいだけではなく、教育上の効果もある優れたVRマーケティング・キャンペーンです。

https://www.youtube.com/watch?v=cr3V4xt2710

トップショップ

ファッションはVRの有望な領域の一つです。自分で着る前に、様々な角度で着こなしを楽しめるため、仮想的な商品紹介が強力なマーケティング・ツールになります。イギリスのアパレルメーカーのトップショップは、ファッションショーを最前列から見た様子を360度映像として撮影し、ロンドン・ファッション・ウィークで発表しました。同ブランドのファンは、トップショップの旗艦店に設けられたガラス張りのスペースで、ヘッドマウントディスプレイを装着し、周囲の人から好奇の目にさらされながら、自分は仮想空間でファッションショーを楽しむという面白い体験をしました。

https://www.youtube.com/watch?v=lUal_Lrhec0

ボルボ

自動車の仮想体験はVRの活用方法として期待が集まっています。自動車メーカーのボルボは、新型SUVの発売に際して、VR映像を開発し、ヘッドマウントディスプレイを持っているユーザーは誰でも、新車の運転席に乗る体験ができるキャンペーンを発表しました。B2Bに強みを持つボルボは、消費者向けのブランド構築に課題を抱えていたため、VRを使った先進的な試みは、ブランド認知の向上に大きく寄与すると見られています。

https://www.youtube.com/watch?v=Wuln2bJkp1k

マリオット

旅行に行く時間がないのなら、VRで旅行するのはどうですか?高級ホテルチェーンを展開するマリオットはロンドンとハワイでの旅行を疑似体験できる本格的な仮想体験を開発しました。キャンペーン参加者は電話ボックスのようなブースの中に入り、オキュラスリフトを装着します。VR映像に合わせてブースの中で風が吹いたり、温度が変わったりして、仮想的な旅行を肌でも感じることができるのです。旅行への需要喚起を目的としたキャンペーンですが、旅行に頻繁には行けない体の不自由な方への旅行体験提供としても活用が考えられます。

https://www.youtube.com/watch?v=rf1aC6aebq8

ポール・マッカートニー

音楽界のレジェンド、元ビートルズのポール・マッカートニーのライブ映像がVR映像で公開されました。VR動画を専門で開発するJaunt社の主導により、ステージ上からライブを楽しむことをコンセプトとしているのが特徴です。ヘッドマウントディスプレイを装着して頭を左右に動かすと全方位が閲覧できるため、マッカートニーと同じステージにいるような感覚が得られます。音楽のように体験を提供する商品には、VRが適している点を示す事例と言えるでしょう。

https://www.jauntvr.com/title/PaulMcCartneyAtCandlestick-LiveAndLetDie.v12

まとめ

オキュラスリフトやソニーの新商品投入によってバーチャルリアリティが消費者に浸透しつつあります。新しい顧客体験を提供し、他社との差別化が図れるVRはマーケティングへの活用が広がってきました。

参考文献


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