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2016年流行語候補!カンバセーショナル・コマースは新しい買い物の形

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LINEなどのチャットアプリは進化を続け、友人たちとの日常的な対話はもちろん、企業とのコミュニケーションにも利用が広がっています。Facebookのチャット型秘書機能「M」のような自動応答によるカスタマーサービスが開発され、極めてパーソナライズされた情報提供が行える時代がやってきました。特に、チャットアプリを通した購買行動は「カンバセーショナル・コマース」と呼ばれ、2016年を象徴する技術になるかもしれません。

自然な会話を通して買い物を行うカンバセーショナル・コマース

LINEやFacebookメッセンジャー、WhatsAppなど、メッセージングアプリが生活の一部となってきました。利用する消費者の数が増えるに従い、消費者と企業をつなぐプラットフォームとしての価値が見出されつつあります。例えば、FacebookメッセンジャーとUberの提携により、チャットアプリからハイヤーを呼び出せるようになりました。友人とチャットをしているアプリの中で、1タップだけでサービスが利用できるのです。

チャットアプリは消費者と企業をつなぐ次世代プラットフォームとして期待されています。特に、人工知能技術の発達により、ユーザーの会話に自動的に反応できる「チャットボット」の開発が進んでいるからです。Facebookは既に「M」と呼ばれる秘書機能チャットボットを発表し、未来的な“買い物”の姿を示しました。

  • あなた「友達に赤ちゃんが生まれたんだけど、プレゼントに何がいいかな?」
  • M「赤ちゃん用の靴はどうですか?3000円です。購入はこちら」
  • あなた「いいね!」

まるで人間と会話しているかのように、人工知能とのチャットを通して買い物ができるのです。Facebookのチャットボットは、今後あらゆる企業から利用できるようになります。洋服を買うのも、レストランを予約するのも、チャットアプリを通した「会話形式」で行う未来がやってくるかもしれません。

会話形式で買い物を行うトレンドは、「カンバセーショナル・コマース」として注目されました。この言葉は、Twitterでハッシュタグを導入した経験で有名なクリス・メッシーナが2016年1月に掲載したブログで初めて定義したと言われています。「2016年はカンバセーショナル・コマースの年になるだろう」「カンバセーショナル・コマースは、これまで双方向で非同期的なメッセージング利用が考えられなかった、人・企業・サービス・ボット間のやり取りに、チャットやメッセージング、音声やその他の自然言語を利用するもの」と提言しました。

最も頻繁に利用され、高い満足度をもたらすのはチャットアプリ

カンバセーショナル・コマースが成立する背景には、メッセージングアプリの普及と、その利用率の高さが上げられます。97%のスマートフォンユーザーはLINEなどのメッセージングアプリを利用しており、全世界で毎日2570億通のメッセージが送られています。メッセージングアプリの上位4社(WhatsApp、Facebookメッセンジャー、WeChat、Viber)の利用者数は、既にソーシャルネットワークの上位4社(Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagram)の利用者数を超えているのです。

チャットによるカスタマーサービスの提供は満足度が高い点が特徴です。人手によるライブチャットでは73%の満足度が得られたに比べて、Eメールは61%、電話は44%という調査があります。Eメールに比べてリアルタイム性が高く、さらに、電話に比べるとリンク・地図・決済などの処理がすぐに行えるという点でチャットが評価されているのでしょう。

カンバセーショナル・コマースにおいて、モバイル端末での買い物が普及してきた点も見逃せません。51.2%のオンラインユーザーは2017年までに少なくとも一回以上、スマートフォンでの購入を経験するだろうと予測されています。モバイル端末での購買行動は既に消費者に受け入れられつつあるのです。

チャットボットでの購入体験は、従来のEコマースと人間による接客の中間のような存在になるかもしれません。Eコマースは全世界のユーザーにサービス提供が容易になりますが、個別対応には限界があり、ユーザーが検索をかけて、膨大な商品の中から好みのものを選択する必要がありました。商品や広告の数が膨大になった現代では、買い物自体が手間になってきています。一方で、人間による接客は、ユーザーの好みに合致するサービスが提供できますが、対面かそれに準じるチャネルに限られるため、拡張性に難があります。

チャットボットは自然な会話を通じて、ユーザーの要望に合致させる接客の要素と、Eコマースの拡張性の双方を備えています。チャットボットと一口に言っても、実際は人間が対応しているものもあります。リアルタイムな反応ではなく、Eメールのような時間差が生じる場合もあるでしょう。しかし、今後は半自動化、あるいは人工知能技術の利用による全自動型のチャットボットが登場すると見られているのです。

チャットで予約ができるBooking.com

ホテル予約サイトのBooking.comは独自のチャットボット機能を開始しました。ユーザーは自然な会話形式に基づいたチャット形式で、駐車場の有無など、一般的な質問の回答が得られます。自動的に42か国語に翻訳する機能があるため、海外のホテルであっても自国の言語で対話ができるのが特徴です。将来的には、よくある質問だけではなく全ての会話を翻訳し、レストランの予約や宿泊時のオプション追加などにも対応する予定があります。

Booking.comの例のように、消費者と企業の関係がより個別で密接になるのがカンバセーショナル・コマースの特徴です。ユーザーはわざわざWebサイトに移動したり、ソーシャルメディアを眺めたりしなくても、チャットアプリの中で必要な情報を質問するだけで、自分の目的を果たせるようになるかもしれません。企業としては、消費者に極めてパーソナライズした体験を提供し、長期的な関係構築を図れることになります。

まとめ

消費者と企業の双方に利益があるカンバセーショナル・コマースは、期待される技術さえ開発されれば、これから益々普及していくでしょう。ここ20年近く当たり前になっていたブラウザでの情報収集やマウスのクリックによる買い物が、まるで人間を相手にしている自然な会話に移っていく過程が見られるかもしれません。「2016年はカンバセーショナル・コマースの年になる」のです。

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