動画広告の市場が拡大しています。サイバーエージェントが公表したオンライン動画広告市場規模の予測結果によると、2015年のオンライン動画広告市場は前年比6割増の500億円規模に到達、また今後スマートフォン向け需要により、2017年には1000億円規模、2020年には2000億円規模に到達することが予想されています。
動画広告が注目されている理由として以下のトレンドが指摘されました。
スマートフォンやタブレットの普及と通信回線の高速化等と共に、動画コンテンツが充実することによって動画を視聴する媒体がテレビからインターネットに移りつつあります。特に、若者のテレビ離れが進んでいると言われ、現代の若者文化がネット中心に移りつつあります。
例えば、自作の動画をYouTubeに公開して広告収入を得る「YouTuber(ユーチューバー)」の登場はその表れといえるでしょう。従来、テレビ・コマーシャルによるマス広告は幅広い視聴者層にアピールしてきましたが、テレビからネットへの動画視聴スタイルの変化によってテレビではリーチできない視聴者層が増加してきたのです。
オンライン動画広告は、インターネットを中心に動画を視聴するユーザーに向けた貴重な宣伝の機会を与えてくれます。
スマートフォンのゴールデンタイムは平日昼間。移動時間や隙間時間に視聴しています。これをマーケティングの文脈で考えると、スマートフォンは購買ポイントに近いメディア接点だといえます。ここに、新しい価値がある。
-LINE株式会社 田端 信太郎-
(引用:http://news.livedoor.com/article/detail/9758652/)
動画視聴が生活の一部となることは、企業にとっても動画広告は自社の認知度を高めるための主要なチャネルの一つになったことを意味します。このトレンドに気づいた企業は既に動画広告によるマーケティング活動を展開しており、TOYOTA、SONY、CANON、Panasonicなど大手企業は定期的に動画を公開するようになりました。
大企業の広告出稿は他社の宣伝活動の方針にも影響を与え、中堅・中小規模の企業の間でも、マスメディアよりも低予算で広告宣伝が行える動画広告の出稿が増えてきています。
動画広告の中心は、最も認知度の高い動画配信プラットフォームであるYouTubeです。加えて、Facebook、Twitter、Instagram、Pinterestといったソーシャルメディアも動画広告に力を入れています。特にアメリカでは動画の視聴回数でも企業による動画公開数もFacebookがYouTubeを追い抜いたと報告されるほど、Facebookの存在感が増しています。
また、スマートフォンアプリにおいても動画広告は大きなビジネスです。ニュースアプリのSmartNewsやGunosyはユーザーの興味に合致した動画を配信する独自の仕組みを発表しています。LINEは、動画広告を視聴したユーザーが無料スタンプをダウンロードできる「マストビュースタンプ」という広告キャンペーンを導入しました。
さらに、ライブ動画配信における広告も注目されるようになりました。Ustream、ニコニコ生放送、ツイキャスといったライブ動画配信プラットフォームが普及し始め、それに伴い動画広告の出稿企業も増加しています。
参考資料: