KOBITブログ

スナップチャットなどの「エフェメラルマーケティング」を解説してみた

この記事は約 7分 で読めます。

Happy guy is taking selfie

SNS疲れ、感じていませんか?人からどう見られるか気にしてSNSに投稿するのを避ける人も増えているのではないでしょうか。「疲れない」SNSとして若者の支持を集めているのがスナップチャットなどの「消える」アプリです。送信したメッセージを閲覧すると自動で削除される機能により、手軽に利用できる点が受けています。多くのユーザーを集める「消える」アプリは企業からも期待が集まり、エフェメラルマーケティングと呼ばれるようになりました。 “その場限り”の広告施策こそ高い効果が上げられるのです。

60億の動画が毎日投稿されるスナップチャット

エフェメラルマーケティングが2016年に流行するトレンドとして多く取り上げられています。エフェメラルとは“束の間の”、“刹那の”という意味を持ち、このトレンドを代表する存在がスナップチャットです。スナップチャットは2011年に米国で創設されたメッセージングアプリで、送信された画像や動画を閲覧すると自動的に削除されてしまうという特徴を持ちます。普通の自撮り画像や面白い動画を“刹那的に”楽しむため、若者の支持を集めています。たとえメッセージを閲覧しなくても24時間以内に削除されてしまうという緊急性が奏功し、スナップチャットからのプッシュ通知は開封率が高く、利用頻度が高まる仕掛けです。

スナップチャットは、2015年11月時点で、毎日60億もの動画がシェアされるまでに成長しています。特に、若年層からの人気が圧倒的で、米国では18歳から34歳までのユーザーが71%に上るという調査もある程です。日本でも若者を中心に人気が集まり、スナップチャットを楽しむ女性芸能人も知られるようになりました。

デイリーアクティブユーザー数が1億人を超えるスナップチャットに対して、企業はビジネス面の価値を見出すようになってきました。テレビよりもモバイルアプリを好む若年層に対して訴求したい企業にとっては、強力な広告プラットフォームになり得るからです。190億ドルとも言われる評価額によって巨大ベンチャー企業の仲間入りを果たしています。

スナップチャットでは挿入型の動画広告が利用できます。ユーザーがライブイベントで撮った写真や動画を公開する「ライブストーリー」を閲覧する際に、動画の冒頭で10秒間の動画広告が表示されるのです。34%の視聴完了率を記録した企業もあり、広告効果は高いという評価を得ました。モニターいっぱいに表示される「タテ型動画」やCNN、National Geographicのコンテンツなど、短い再生時間でもユーザーの興味を惹き、飽きさせない工夫があります。

エフェメラルマーケティングを考える上では、期間限定の特性を利用するのが良いでしょう。企業から消費者へ動画を送り、店舗で動画を開いてもらえば割引する、といったO2Oマーケティングへの活用が考えられます。ライブイベント中にスナップチャット上でフォト・コンテストを行えば、出席者が広告塔として働いてくれるでしょう。米国では既に、コカ・コーラやマクドナルドといった若者に人気のブランドがスナップチャットでのマーケティング活動を展開しています。

その場限りのメッセージングアプリとライブ動画配信アプリ

エフェメラルマーケティングに有効なプラットフォームはスナップチャットだけではありません。Vineは6秒間の動画を共有するサービスで、2012年、正式製品公開前の段階でTwitterに買収されました。自動で削除する機能はない点がスナップチャットとの違いです。月間アクティブユーザーが2億人と世界的な人気があります。広告出稿はできませんが、企業アカウントを作成し動画の公開が可能です。わずか6秒の動画なので、押しつけがましくなく、製品やブランドの紹介を行えます。サンリオなど大手企業からの事例も見られるようになりました。

企業と消費者のやり取りが難しいためマーケティング向きではありませんが、 “消える”という点でスナップチャットと共通点のあるメッセージングアプリも開発されています。Wickrは暗号化通信や自動でメッセージが削除される機密性の高さを売りにしており、ビジネスユーザーから人気を集めました。日本ではTontonなどのサービスが展開されています。

“その場かぎり”という特性を考えると、ライブ動画配信もエフェメラルマーケティングの一種と考えられます。Meerkatは誰でもライブストリーミングができるアプリとして公開され、200万人のユーザーを抱えています。コメント機能など、配信者と視聴者がコミュニケーションできる機能が特徴です。ウェアラブルカメラGoProから動画配信する機能も開発され、スポーツや自然の中のダイナミックな映像が簡単に配信できるようになりました。

Meerkatと同様、ライブ配信が行えるアプリとしては、Periscopeも知られています。2015年8月には1000万人の登録者を数え、「ベストiPhoneアプリ賞」に選ばれました。画面をタップするだけで「いいね!」ができる容易さが評価されています。ライブ配信動画は企業にとっても多くの使い道があります。製品紹介のセミナーを公開し、その場で視聴者の質問やフィードバックを受け付ける時間が設けられるからです。

エフェメラルマーケティングの文化にあったマーケティング戦略が必要

エフェメラルマーケティングは始まったばかりのトレンドであるため、各プラットフォームがユーザーに最適な仕様を固めている段階です。例えば、スナップチャットでは企業がアカウントを作成し、動画を公開しますが、ユーザーにとって他のアカウントを検索する機能が十分ではありません。ブランド認知向上に役立てたい企業にとっては、どうやってスナップチャットのアカウントを見つけてもらうかが鍵となるでしょう。

若年層が、FacebookやTwitterといった巨大なSNSよりも、スナップチャットのような“刹那的な”プラットフォームを好んでいるのかを良く検討する必要があります。広告が増えすぎて商業的な匂いが嫌になったのかもしれません。大人と同じ空間ではなく、子供だけが使える自由な遊び場が欲しくなった可能性もあるでしょう。その場の“ノリ”を大事にする文化が芽生えているのかもしれません。プラットフォーム特有の文化を理解せずに、広告を出稿しても、ユーザーが離れてしまうだけです。エフェメラルマーケティングにあったマーケティング戦略を見つけられるかどうかは企業の手腕にかかっています。

まとめ

エフェメラルマーケティングは「今見なければ、もう見られない」という緊急性があるため、プッシュ通知の開封率が上がったり、動画広告の視聴完了率が高かったりするメリットがあります。ライブ動画配信を含め、企業の積極的な利用が始まっています。


CATEGORY:

さあ、KOBITをスタートしよう。