最近、GoogleやAppleのCMで音声検索しているシーンをよく観ますが、筆者はそれほどSiriやCortanaを利用したことありません。知らない人に自分が何を検索しているか知られるの恥ずかしくないですか?GoogleやAppleはかなり音声アシスタント機能の向上に努めていますが、正直「使う人あんまいないんだから意味ない」っていうのが筆者の意見です。
しかし、最近スマホなどの音声アシスタント機能を活用するユーザーが増えているんです。下のデータは去年の12月、米国ネットメディアSearch Engine Landが行った「音声検索を使い始めたのはいつ頃?」というアンケート結果です。
なんと42%のユーザーが「ここ6ヶ月以内」にSiriやCortanaを使い始めたという結果が出ていて、急激に音声アシスタント機能の利用が活発化しているのです。
さて、ここでマーケターが気をつけなければならないことは、タイピングと音声検索では検索結果が異なってくるということです。極端な例を言えば、皆さんが美味しい牡蠣を食べたい時、タイピングでは「牡蠣 美味しい お店」というフレーズで検索すれば目的にあったサイトを閲覧できます。しかし、音声検索を利用して「美味しい”かき”を食べれる店」とスマホに話しかけると、「牡蠣」だけでなく果物の「柿」も検索に引っかかってきます。
このように音声検索の利用者数が増加する一方、同音異義語の判別が対応仕切れないことが背景に、アメリカのマーケターの間ではタイピングによるSEM(Search Engine Marketing)対策だけでなく、音声検索によるSEM対策も今後必要になると言われています。筆者はこれを勝手に”Voice Search Optimizaion=VSO”と名付けたいと思います。(皆さんも是非使って下さい)
今日はそんなVSO対策の3つのステップを紹介していきたいと思います。
Googleなどの検索サイトに広告を配信する際、どのキーワードでヒットさせるかを考えると思います。今後はキーワード選定のために、自社サイトに関わるフレーズをSiriやCortanaに話しかけて検索してみましょう。 海外に”Bobbi Brown”という化粧品会社がありますが、例えばCortanaで”Where can I buy Bobbi Brown makeup”と話しかけてみると、Cortanaでは”Where can I buy Bobby Brown makeup”と反応してしまいます。”i”と”y”の僅かな違いですが、Google adでのキーワード選定では”Bobbi Brown”だけでなく”Bobby Brown”という単語を含める必要が有ります。
ユーザーがどのように音声検索をしていくか考えましょう。例えば、6月にBahamasに旅行しようとするユーザーがいるとします。 そのユーザーは音声検索では”What are some vacation deals for June?”と話しかけるかもしれません。実際のSERPsのトップ3の結果が下の画像です。
さてここで考えて頂きたいのは、画像のトップ3の結果の中でこのユーザーがクリックしたくなるサイトはどれか?ということです。
正解はもちろん3番目の”Atlantis Summer Sale”です。残りの2つはユーザーの意向との関連性が低いですよね。会社側からしてみても、そういったユーザーに対しては3番目の検索結果をトップに持っていきたいものです。
このように、今後はPPC広告を配信する時でもランディングページを作る時でも、「ユーザーがどんな単語でタイピングするか?」だけでなく「どんな風に音声検索に話しかけるか?」を考えなければなりません。
音声検索の発達を背景に、「〜の仕方」、「〜ってどうするの?」とストレートなQ&Aフレーズで検索するユーザーが増えているようです。タイピングするには長いですが、喋るぐらいならこのようなフレーズも手間ではないのが理由だと考えられます。そういったユーザーの疑問に応えるコンテンツを用意するすることも今後より重要になってくるでしょう。
見込み客が何に困っているか?何を知りたいのか?をコンテンツとして仕上げて、しっかり検索で自社サイトに呼ぶ込むことがブランドイメージの向上やエンゲージメントの活性化に繋がります。
コンテンツマーケティングにこれまで以上に時間を割いていかなければならないことがわかりますね。
はじめにVSO対策とか勝手に上記のステップに名前を付けましたが、基本はSEM対策と変わりません。検索単語とフレーズを考えて適応させることが大切です。VSO対策の際、加えて特に考えたいことは、タイピングにない音声検索独特のフレーズです。 マーケターは今後自社サイトに関わる独特のフレーズを把握する必要があります。それはもちろんPPC広告のキーワード選定やタイトルに対応させることも大事ですが、あらゆるフレーズを想定したコンテンツ作りの時間も増やしていかなければなりません。 このように、VSO対策は近いうちにコンテンツマーケティングの新たなトレンドになることは必須になると筆者は考えます。
参照:Search Engine Land, Is your brand prepared for voice search? 3 steps to get the conversation started.