FacebookとTwitterの2016年第1四半期の決算が発表されました。Facebookの売上は53億8000万ドルと去年同時期と比べて52%増という結果になりました。その内、広告収入が締める割合はなんと97%で、これも前回と比べ57%増えています。
また、モバイル広告収入が42億6000万ドルと全体の広告収入の82%を締めています。今回の結果の最大要因は順調なモバイル化だと考えて間違い無いでしょう。去年から本格的に始まった動画広告が、ばっちりモバイルとかみ合ったようです。
一方でTwitterは少し伸び悩んでいるようです。2016年第1四半期のトータル収入が5億9450万ドルと去年の同時期と比べて37%増という結果となっています。数字だけみれば十分伸びていると思われますが、予定売上が6億780万ドルだったので、Twitterや投資家目線では満足のいく結果ではなかったようです。
さらに、ここ数年の伸び率を比較してみると、2014年の第1四半期が135%増、2015年が72%だったので、減速傾向であることは間違いありません。
それでは何故Twitterがここまで伸び悩んでいるのでしょうか?また、この結果を受けTwitter今後どのような動きをみせてくるのか?今回はそれらについて紹介していきたいと思います。
最大の理由は動画広告です。Facebookと同様に去年から動画広告を始めましたが、Twitterの動画広告を利用する企業が少なかったようです。このサービスを始めた当初の目的は、既にTwitter広告を利用している顧客に、従来のプロモツイートやプロモトレンドではなく割高な動画広告に移行してもらうというものでした。
しかしこの目的は全く機能せず、大口顧客でさえも動画広告をあまり利用せず、従来のTwitter広告を利用していたようです。それらの顧客に理由を尋ねたところ、多くの企業は社内のTwitter広告費の割当が増えたら動画広告にも手を出すつもりであって、増額されてない今はプロモツイートやプロモトレンドから移行するつもりはないと答えたようです。
現状課題は、地域ターゲティングやアナリティクス機能が不十分で、しっかりPDCAを回せないということです。
秋にアメリカンフットボールとのコラボを予定しているようで、それまでにこれらの機能を完備させるとTwitterは述べています。また、同時期までにリターゲティング機能や3rdパーティーデータを利用した広告配信も可能にしていくようです。
やはり動画広告がFacebookとTwitterの明暗を分けました。Facebook広告は既に地域ターゲティングやアナリティクス機能が充実していて、それをしっかり動画にも対応させたので、多くの企業にとって手を出し易かったと考えられます。
ネット広告はPDCAをしっかり回せることが従来の広告にない最大の強みなので、それが不十分なTwitter広告はマーケターにとって利便性は低くなってしまいます。
しかし、今後Twitterが上記のアップデートを実現させれば、マーケターがTwitterに投資する動機が一気に上がるでしょう。とりあえず、秋までの動きを注目しておく必要はあるようです。
参照:
Marketing Land,
Facebook’s mobile ad revenue grew by 76% to $4.26 billion in Q1 2016
Twitter misses revenue estimates as brand advertising biz weakens