米国時間4月26日にYouTubeが新たな動画タイプ「Bumper広告」を発表しました。これまでの動画広告と最も違う点はたった6秒間の尺しか持たないということです。
YouTubeの動画広告と言えば、30秒程の尺で5秒間経たないとスキップ出来ない(以下「True view インストリーム広告」)という仕組みでした。また運が悪ければ15秒~30秒フルで観せられるタイプの動画(以下「標準インストリーム広告」)もあります。自分が観たい広告の前に余計な動画が流れて、ユーザーの中にも正直YouTube広告をウザいと感じている人も少なく無いでしょう。
「Bumper広告」はそんなユーザーの声に応えた新しい広告タイプだとYouTubeは述べています。
そして、この「Bumper広告」はユーザー、YouTuber、広告主の3者にとってメリットがあると考えられます。今回はその3つのメリットを考察していきたいと思います。
6秒間というのはあまりストレスを感じないのではないでしょうか。それこそ15秒〜30秒フルで流される「標準インストリーム広告」よりはかなりユーザーに優しい広告タイプです。一方、「True View インストリーム広告」は5秒経てばスキップできるので、広告動画の閲覧時間的には「bumper広告」とあまり変わりません。
それでは「True View インストリーム広告」と「Bumper広告」の最大の違いとは何か?
それは「クリック」だと筆者は考えます。5秒間待ってクリックしなければ観たい動画に進めないタイプと、6秒経ったら自動で観たい動画に進んでくれるタイプを比較すると、後者の方がストレスが少ないのではないのでしょうか?
実際、E-コマースの世界でも、ユーザーストレスを軽減させるために「購入画面までのクリック回数を如何に減らせるか?」が非常に重要になってきます。それを考慮すると、「Bumper広告」はユーザーにとって最もストレスがない広告タイプになるのではないでしょうか。
「Bumper広告」はCPM課金のみの広告タイプになります。つまり、自分が管理する動画の前に「Bumper広告」が流れれば流れる程、YouTuberの懐にお金が貯まっていきます。
これまでの広告タイプだと、ユーザーが広告動画を全部閲覧するか、広告をクリックするかのどちらかのアクションを起こさない限り広告料はYouTuberに支払われませんでした。
もちろん「Bumper広告」の課金金額は他の2つのタイプに比べれば安くなると思いますが、自分の動画が再生される度に広告収入が入ってくる仕組みはYouTuberにとって嬉しいですね。
YouTubeは自社のブログで、「Bumper広告」はブランドの純粋想起率の向上に繋がると述べています。短い動画をストレスなしでユーザーに何度も見せることで、ユーザーの潜在意識の中にブランドイメージを植え付けさせることが出来るということでしょう。
ただ、決して「Bumper広告」が従来の広告と取って代わるという訳ではありません。「Bumper広告」でブランドイメージを植え付けたユーザーに、より具体的な情報を含む「True view インストリーム広告」や「標準インストリーム広告」を観てもらえば、購買行動に一歩近づくアクションを起こしてもらえると思います。
実際、YouTubeブログでは「従来の広告と組み合わせることで、さらなる広告効果が期待できる」と述べています。
このように「Bumper広告」にはあらゆるメリットがあると考えられます。YouTubeユーザー行動をはじめ、企業による広告運用にも変化が出てくると想定されるので、今後Webマーケターは注目しておきたいサービスです。
最後にテストで行われた「Bumper広告」を観てみましょう。これは米国のあるレコード会社に所属するアーティストのNewアルバムを告知した広告です。
(Rud bumpers BWOMACK 1080p)
短過ぎて詳しく理解できませんが、これならストレスなく観れますね。何度も観てたらいつの間にかこのアーティストについて自分から調べてしまうかもしれませんね。
参照:Marketing Land, YouTube launches 6-second Bumper video ads to extend TrueView campaigns.