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前回マズローの欲求段階説から考える 承認欲求を利用するグロースハックまでのコラムでは、Webサイトの目的ごとに考えられる施策の案を紹介しました。
それらの施策を実行するには、既存のツールを活用すると、より速く・より高い効果を得られるケースがあります。今回からのコラムでは、グロースハックに利用できる代表的なツールを紹介します。
サイトの目的・施策・ツールの関係はそれぞれ以下のようになります。
サイトの目的 | 施策 | ツール |
---|---|---|
共通 | アクセス解析 |
Google Analytics KOBIT KISSmetrics SumoMe |
コーポレートサイト、 ブランドサイト |
コンテンツマーケティング |
クラウドCMO コンテンツエビス |
店舗案内 | O2O |
LINE@ ZIGSOW RUNWAY |
Eコマース | A/Bテスト |
Optimizely Kaizen Platform |
Webメディア | インフルエンサーマーケティング |
Buzzsumo Simply Measured |
Webサービス | ゲーミフィケーション | gioco |
グロースハックのアクセス解析では、Google Analyticsの利用が有効です。Google AnalyticsはWebサイトのアクセス解析において、最も人気のあるツールになっています。
2013年には上場企業の64%がGoogle Analyticsを採用していたとの調査もあります。また、中規模・小規模のWebサイトにおいても、無料で高機能が扱えることから、Google Analyticsの利用は非常に多くなっています。
Google Analyticsが人気を得た理由は、Webサイトを「いつ・誰が・何を・どのように」閲覧しているのかが明らかになることです。グロースハックの目的に応じて、期待通りの結果が得られているか、問題があるとすれば、どこにあるのかを理解することができる強力なツールだと言えるでしょう。
本コラムでは、AARRRモデルの各ステップについて、Google Analyticsの役立つ機能を紹介します。
Acquisition(獲得)の状況を確認するには「集客」レポートが有効です。どのようなチャネルを経由して、Webサイトに辿り着いたかを分析することができます。
チャネルごとの行動パターンや成約率を分析することができるため、各チャネルの機会や課題の特定にも役立ちます。
図:「集客」 > 「サマリー」
検索エンジンは集客にとって重要な要素です。検索エンジンでどのようなキーワードで検索されているのかを知るためには「集客 > 検索エンジン最適化>検索クエリ」のレポートが有効でしょう。
図:「集客」 > 「検索エンジン最適化」 > 「検索クエリ」
検索されているキーワードについて、コンテンツを充実させると、集客を増加できる可能性があります。
Google Analyticsにおいて、Webサイト内の特定の行動を分析するにはイベントの機能を活用します。Webサイト内の動画の再生、ホワイトペーパーのダウンロード、問い合わせフォームの送信などをイベントとして定義し、どのような活動が行われているかを確認できます。
「行動 > イベント > サマリー」のレポートでその内容を確認します。
図:「行動」 > 「イベント」> 「サマリー」
Google Analyticsでは新規ユーザーと再訪問ユーザーの違いを分析することが可能です。Retention(継続)を向上させるには、再訪問ユーザーの割合や滞在時間が増加することを目標とすることになります。
Google Analyticsにおいては「ユーザー > 行動 > 新規とリピーター」のレポートが有効です。
図:「ユーザー」 > 「行動」 > 「新規とリピーター」
Google Analyticsはソーシャルメディアにも対応しています。運営しているWebサイトにソーシャルメディアから流れてきた訪問者はどれくらいいるのかを分析したり、どのコンテンツが話題に上っているかを理解したりできます。
「集客 > ソーシャル > サマリー」のレポートが、ソーシャルメディア分析の入り口になるでしょう。
図:「集客」 > 「ソーシャル」 > 「サマリー」
Google AnalyticsではWebサイト上での特定の行動を「目標」と定義することで、その活動を追跡します。商品購入を「目標」とするのが一般的な利用方法ですが、そのほかにも問い合わせフォームの送信やユーザーアカウントの登録などの行動を「目標」として管理することができます。
「目標」が達成されるまでのWebサイト内での行動を分析し、より多くの収益が上げられるよう、Webサイトの最適化を目指します。
「目標」に関する行動の概要が示されるのが、「コンバージョン > 目標 > サマリー」のレポートです。
図:「コンバージョン」 > 「目標」 > 「サマリー」
(出典:https://www.allegro-inc.com/seo/6733.html)
Eコマースについては専用のレポートが用意されています。購入数や注文額を分析することが可能です。さらに、商品のカテゴリ別や、サイズ・色などの細かい仕様別の切り口で詳細な分析を行うこともできます。
図:「コンバージョン」 > 「eコマース」> 「サマリー」
(出典:http://ecclab.empowershop.co.jp/archives/465)
収益の向上にはA/Bテストが有効な手段であり、Google AnalyticsもA/Bテストの機能をサポートしています。「行動 > ウェブテスト」のレポートを活用することで、A/Bテストが実施できます。
図:「行動」 > 「ウェブテスト」
(出典:http://www.tam-tam.co.jp/tipsnote/seo/post3556.html)
グロースハックのアクセス解析にはGoogle Analyticsの利用が有効です。また、利用する際はAARRRモデルに照らし合わせて分析を行うことで、より効果的なアクセス解析が可能になります。
期待通りの結果が得られているか、問題があるとすればどこにあるのか。まずは分析し、良い結果を積み重ねていくことがサイトの成功につながります。