KOBITブログ

データで見るインバウンド需要。「爆買い」を生む5つの方法

この記事は約 7分 で読めます。

Asian women shopping

「爆買い」は大きなビジネスチャンスをもたらします。購買力の高い訪日観光客が増加の一途をたどり、「インバウンド需要」は今後の日本経済を左右する存在です。2015年に日本を訪れた観光客は過去最高の1973万人を記録し、2020年には4000万人を目標とすることを日本政府は明らかにしています。中国の富裕層・中間層拡大、円安、ビザ要件緩和などインバウンド需要には追い風が吹くばかりです。この機会を逃さず「爆買い」を生み出すためには、どのような取り組みが必要になるのでしょうか。

1兆4000億円を超える中国人観光客の消費額

2016年3月、日本政府は2020年までに訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円を目指す施策を発表しました。2013年に初めて1000万人を超えた訪日観光客が、大きな伸びを示しており、2020年の東京オリンピックと合わせて、観光先進国として発展する国策として注目されています。

訪日観光客を国別に見ると、中国499万人、韓国400万人、台湾367万人、香港152万人、アメリカ103万人と続いていました。さらに、旅行消費額を見ると、中国人観光客の「爆買い」の様子が明らかになってきます。中国1兆4100億円、台湾5200億円、韓国30000億円、香港2600億円、アメリカ1800億円となり、中国人の圧倒的な購買力が際立ちます。

旅行消費における内訳は買い物(41.8%)、宿泊料金(25.8%)、飲食費(18.5%)、交通費(10.6%)、娯楽サービス費(3.0%)、その他(0.3%)との調査があります。訪日観光客全体の傾向を見ると、ホテルや飲食だけではなく、買い物目的の観光客も多いと想定できます。この買い物目的の観光客から「爆買い」してもらうためには、どのような取り組みが必要になるのでしょうか。

データから読み解く「爆買い」を生む5つのポイント

高品質で低価格な日本ブランド

中国では食品偽装、大気汚染など社会問題に取り組んでいる最中です。他にも、アパレル製品・電気製品など偽物が多く、中国の店舗やネットショップでは、消費者が安心して買い物できない状況が続いています。

中国では、日本ブランドは「安心・安全」というイメージが強いため、中国人観光客は日本にいる間に高品質な商品や食べ物を楽しむようになりました。中国のEコマースサイトでも日本製品が買えるようになったものの、物流コストが反映して割高になっていたり、偽物の疑いがあったりするため、消費者からは信頼が得られていません。日本ブランドの高品質さをアピールすると、訪日観光客には好印象が与えられるでしょう。

訪日観光客が買い物をするのはコンビニエンスストア(63.6%)、空港免税店(63.0%)、デパート(61.7%)、ドラッグストア(59.8%)、スーパーマーケット(53.6%)と言われています。高品質・低価格を象徴するチャネルが力を発揮しているのではないでしょうか。

まとめ買い、ついで買いの奨励

「中国人がドラッグストアで風邪薬を数十個まとめ買いしていた」といった声がよく聞かれます。そもそも「爆買い」をしていくのは、どうしてなのでしょうか。一説には中国人の「面子」が関わっていると言われます。中国人は自身のイメージや集団内の立ち位置に敏感なため、高品質で低価格な日本製品を贈り物として家族、親族、友人にプレゼントし、自身の立場を維持・向上させようとしているのです。

「他人からよく見られたい」という面子を重視する中国人にとって日本製品のお土産は適切な選択と言えるでしょう。この中国人の需要に応えられるよう、日本ブランドを訴求しつつ、クロスセル及びアップセルを積極的に行うと、観光客は喜んで財布の紐を緩めてくれます。

ある調査では中国人観光客が親しい仲間に買ったものとして医薬品、化粧品、生活雑貨、食品、目薬といった項目が上げられています。まとめ買いがしやすく、友人にお土産として渡しやすいモノが好まれる傾向があるようです。

中国版ソーシャルメディアの影響

「爆買い」は訪日前に始まっていると言われます。訪日中国人の実に95%が「買い物リスト」を事前に作成し、日本に到着してから目当ての商品を探すのです。特に、化粧品・家電製品・アパレルといった価格が高くブランドが重要な商品ほど、買い物リストの利用傾向が強くなります。

買い物リストの作成にはインターネットの影響が大きく、また、そのプラットフォームは日本とは異なっているのが特徴です。検索エンジンは百度(バイドゥ)、SNSサイト人人網(レンレンワン)、中国版Twitter微博(ウェイボ)、Eコマースサイト天猫(Tmall)などが知られています。これらのサービスを活用し、友人の意見を聞いたり、口コミを確認したりしているのです。

日本企業が天猫(Tmall)に出品するなどして、事前に「買い物リスト」に入れてもらえるよう努めるのは一案です。その他にも、中国人観光客はガイドブック、旅行会社のWebサイト、旅行情報誌、パンフレットなどで情報収集しているので、幅広く広告プロモーションの機会を探ると良いでしょう。

春節のある2月、夏休みのある7月~8月

観光客の出足には季節が重要です。2月には春節と呼ばれる旧正月の祝い事があり、一週間程度の休暇をとって日本を旅行する観光客が増加します。春節の期間を「爆買い」のチャンスとして力を入れるのは間違いではありません。

しかし、意外なことに、2015年に記録された訪日観光客の推移を見ると、2月に訪問した人数はそれほど多くはありません。春節のある2月は30万人を超えた程度だったのに対し、7月~8月の訪日中国人は50万人。時間に余裕のある富裕層や学生が長期の夏休みをとって訪日しているのかもしれません。夏休みの大きな需要も見逃さないようにしましょう。

リピーターの取り込み

ここ数年の訪日客増加により、既に数回日本を訪れている観光客も増えてきました。いわゆる「リピーター」の存在が見逃せません。三菱総合研究所の調べでは、訪日経験のある中国人のうち、6割以上が2回以上日本を訪問したリピーターとなっていました。6~9回以上訪日している人も2.4%に上ります。

リピーターは初回訪日客とは異なり、よりユニークな体験や消費を求めるようになります。地方都市や自然を訪れたり、都市部であればサブカルチャーへの興味が湧いたりするかもしれません。これからも増え続けるリピーターの需要取り込みは大きな機会となるでしょう。

まとめ

1兆4100億円を超える中国人観光客の購買力は目を見張るものがあります。データから見ると、メディアが伝える印象とは異なり、夏休みの需要、リピーターの増加、買い物リストの準備といったユニークな傾向が見られました。

参考資料


さあ、KOBITをスタートしよう。