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いつでもどこでも買い物できる!オムニチャネルは顧客志向の戦略

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買い物と聞いてイメージするのは、どういう姿でしょうか?店舗で買い物カゴを抱える姿を思い浮かべる人もいれば、パソコンの前でクリックする瞬間を思い出す人もいるでしょう。スマートフォンで商品をスワイプするのも若者の間では常識になりつつあります。購買行動の多様化は現代の特徴と言えるでしょう。そして、複数のチャネルを上手く連携させて新たな購買体験を生み出す手法は「オムニチャネル」として注目が集まっています。

シームレスな顧客体験を提供するオムニチャネル

買い物の概念は、ここ数年で大きく変わってきています。従来、店舗へ足を運んでするものだった買い物が、Eコマースの登場で家でも行えるようになりました。さらに、スマートフォンが普及したため、「紙のチラシを持ちながら店舗に行って、スマートフォンで価格比較サイトを見た後に、家のパソコンから購入する」といった購買行動が可能な時代です。一人の顧客に対して、様々なチャネルが同時に接点を持つのが特徴と言えるでしょう。

複数のチャネルからの接点を活用し、新たな顧客体験をもたらす取り組みは「オムニチャネル」戦略として注目を浴びています。パソコン、スマートフォン、店舗といった各チャネルが上手に連携し、顧客の利便性を高める手法です。パソコンで取得したオンラインクーポンで店舗に誘導する取り組みや、店舗に在庫がなかった商品をその場でスマートフォンから購入する、といった施策はオムニチャネルの例と言えるでしょう。

オムニチャネルは売り手の都合から、買い手の利便性へと視点を変える取り組みと見ることができます。マーケティングは「どこで」「何を」売るかといった議論が中心であり、4P(製品、価格、チャネル、宣伝)フレームワークが主要な分析手法でした。しかし、どこでも買い物ができるようになり、また、比較サイトなどで多くの商品情報を手にした顧客に対しては、売り手主体の考え方が通用しなくなってきました。

オムニチャネルの時代では「誰に」「どう」売るかを考えなければなりません。フレームワークは4Pよりも4Cが使われるようになりました。4Cとは、顧客価値(Customer Value)、顧客にとっての経費(Cost)、顧客利便性(Convenience)、顧客とのコミュニケーション(Communication)の頭文字をとった略語です。顧客志向のマーケティングが多くの企業にとって常識になってきているのです。

オムニチャネルの導入事例

ABCマート:店舗設置のiPadから商品発送

靴を中心とした小売店を展開するABCマートは、各店舗にタブレット端末を設置し、商品在庫を確認できる仕組みを導入しました。靴はサイズに幅があるため、売り場スペースの限られる店舗では、全てのサイズを取り揃えるのに限界があります。そのため、店舗で試着した顧客に合うサイズの在庫がない場合には、iPadで在庫状況を確認し、店舗で精算を行った上で、自宅へ配送できるようにしました。

ABCマートの仕組みを実現するには、全社的な在庫管理システムが求められます。店舗でもWebでも同じ在庫情報が利用できなければ、チャネルをまたがった販売ができないからです。どのチャネルを使っても、最新の情報が取得できるため、顧客の利便性が向上したというオムニチャネルの事例です。

Staples:店舗内のキオスク端末から注文可能

Staples(ステープルズ)はオフィス用品において世界最大手となるアメリカ企業です。店舗、営業担当者、Webサイト、モバイルアプリなど全ての接点をつなげるオムニチャネル戦略を推進する企業としても知られています。オンラインに接続したキオスク端末を店舗に設置し、店舗に置いていない商品をWebから注文できるようにしています。また、オンラインで注文し店舗で受け取る機能は、注文後2時間後から受け取り可能という優れたサービスであり、前年比39%増という大きな成果を上げています。

多くの企業では、店舗やEコマースといったチャネルごとに部門が分かれており、縦割り主義が残っているかもしれません。Staplesのようなオムニチャネル戦略は、縦割り主義を破らなければ実現不可能な施策です。顧客志向のマーケティングは、全社的な経営改革を含んだユーザー体験の改善につながるのでしょう。

セブンイレブン:オンラインで注文し、店舗で受け取り

セブン&アイホールディングスは2015年11月1日にネット・ショッピングサイト「omni7 (オムニ・セブン)」を開始しました。その名前から分かる通り、オムニチャネル戦略を実現するものとして期待されています。omni7では、セブン&アイホールディングスの傘下企業から、何でもオンラインで注文し、セブンイレブンの店舗で受け取れるようになります。イトーヨーカドー、そごう・西武、赤ちゃん本舗、ニッセンといった企業が提供する商品が対象です。セブンイレブンは単なる商品受け渡し場所ではなく、返品や返金の受付なども取り扱います。オンラインの利便性とリアル店舗での優れたサービスの“いいとこどり”を狙った戦略と言えるでしょう。

「オンライン注文を店舗で受け取る」という方針は、物流の最適化の観点からも効果があります。まとめて配送すると物流効率が向上できますが、配送センターから顧客に届ける最後の工程は、まとめて配送するのが困難になります。この課題は「ラストワンマイル」と呼ばれ、多くの企業が効率化の工夫を凝らしています。商品受取を顧客が担当してくれれば、ラストワンマイルを小売店が担当する必要がなく、物流コストの軽減が図れるのです。

コンビニエンスストアはオムニチャネル戦略の激戦区です。ローソンでは店舗に設置しているLoppi端末からAmazonの注文・支払い・受け取りが行えるようになりました。顧客の利便性を向上させるためには、企業の垣根さえもまたがるようになったのです。同様に、ファミリーマートはヤフーとの提携を行いました。ヤフーの検索エンジンでファミリーマートに関する検索を行うと、ファミリーマート店舗で使えるクーポンを発行します。

まとめ

オムニチャネルは顧客志向のマーケティング戦略です。複数のチャネルが連携してサービス提供するため、顧客の利便性が高まります。小売業界では企業をまたいだサービスを提供し、新たな顧客体験の創造が進んでいます。


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