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UIとUXの改善はどう違う?インターフェースと体験を向上させる定量的アプローチ

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UIとUXの違いは分かりますか?ユーザーを意識した製品・サービス作りという観点では似ている点もありますが、実際は異なる概念です。UIは画面要素などのデザインを指すのに対し、UXは利用者が抱く感情に着目します。UIやUXを改善しようとすると、そのアプローチも当然異なるものになります。インターフェースや体験は主観的な評価になりがちですが、Google Analyticsなどの解析ツールを駆使すると、客観的・定量的なUI・UXの改善が可能になります。

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■画面要素を規定するUIとユーザー体験を描くUXの違い

UIとUXの違いが混同されるケースがよく見られます。UI(ユーザー・インターフェース)はユーザーと製品の“接点”を意味し、Webサイトやモバイルアプリ開発においては、ボタンなどの画面要素をいかに設計するかを対象とします。デザイナーと呼ばれる職種の人間がUIに責任を持ち、色・フォント・配置・画面遷移といったユーザーが目に触れる情報を整理するのが仕事です。スマートフォンやタブレットでは画面が小さく、タッチ操作が主流になってきたため、UIのデザイン手法にも変化が見られるようになりました。

UX(ユーザー・エクスペリエンス)は“体験”を意味し、製品を使用している間に湧き起こるユーザーの感情に焦点を当てます。ユーザーはWebサイトを訪問する際には、何らかのニーズを抱えているため、そのニーズを如何に満足させられるかがUXの鍵です。例えば、ユーザーが旅行に出かける際の宿泊先を決めたいと考えているとしましょう。ホテル検索サイトを訪問して、予約を行う流れの中で、いかに楽しく宿泊先を見つけられるか、予約する際には決済が滞りなく行えるか、宿泊までに必要な情報を適宜通知してくれるか、といった要素がUXの出来を左右します。UIはUXの部分的な要素に過ぎず、UXは総合的なサービスとして提供されます。UXに責任を持つのは、プロダクトマネージャーや経営層になるケースが多いでしょう。

■A/Bテストにより最適なUIを選定

UIを決定するには、どのような点を考慮すればよいのでしょうか。まず、UIの持つ世界観を決める必要があります。若者向けのサービスであればポップな雰囲気が良いでしょうし、ビジネス向けのWebサイトであれば安定感を抱かせる雰囲気が好まれるでしょう。世界観に合った色合い、画面要素のサイズ、文言、アニメーションを含めた操作感などを詳細化するのが次のステップです。複数の色を使っただけでユーザーの注意が散漫になったり、文字が小さいと細かくて分かりづらいとの印象を与えたりしてしまう可能性があります。必要最小限の操作でユーザーの目的が果たせるよう、デザインを作りこむのがUIの設計及び改善の作業です。

UIの改善にはデータ分析が適用される余地があります。Google Analyticsなどのアクセス解析サービスを利用すると、どのデザインを表示した際に、ユーザーがどのような行動をとったかが定量的に評価できます。特に、A/Bテストは広く用いられる手法です。2つ、又は2つ以上のバージョンのデザインを用意し、訪問者に対してランダムに表示を行います。結果として、どちらの条件で望ましい結果が得られたかを統計的に分析します。赤い登録ボタンは灰色よりもコンバージョン率が高い、3ステップ以上のウィザード形式では離脱率が悪化する、といった知見を得ることで、UIの改善につながります。

■行動履歴からUX改善につながる仮説を構築

UXの改善には、ユーザーの立場にたって考える態度が必要です。ユーザーの感情や意見に没入すると、作り手の論理から離れた、ユーザー視点のUXを設計できるようになります。ユーザー目線になるために有効な手法が「ペルソナ」の作成です。ペルソナとは、想定されるユーザー像を具体的な人格として描く方法です。

「都内に住む女子大学生20歳。歌手を夢見てバンド活動を行う。流行を追うよりも自分のスタイルを大切にする。Instagramは使わないが、LINEは大好き。釣りが趣味」といったように、極めてパーソナルな情報を定義します。ペルソナの定義に基づき、Webサイトを使用した際に抱くであろう感情を類推し、UXの改善を図ります。ペルソナを複数定義しておくと、異なるセグメントに対して、バランスの良いUX設計が行えます。

UXの改善に際しても、データ解析は役立ちます。オンライン学習サイトを展開するスクーは、データに基づいてUXを設計してきた好例です。例えば、チャットに一回以上参加したユーザーは、二回目の授業に参加する割合が高い、というデータが得られたと言います。オンライン授業の受講者は、他の学生と交流を持つ体験によって、より授業への興味が増すのでしょう。

そこで、チャットに参加しやすいよう、簡単に投稿を行える機能の実装を検討しました。また、一回目受講してから7日間連続して受講しなかった場合、二回目の受講を行う割合は8割減少するというデータも明らかになりました。7日間経過する前に、受講者の再訪を促すよう、メールを送信するように機能追加を行っています。オンライン授業という新しい習慣を獲得するには時間がかかるのでしょう。Eメールの送信によって、受講者の学ぶ環境づくりに一役買っています。

UI設計においてはユーザビリティの向上が重要です。ユーザビリティとは「使いやすさ」を意味しており、ユーザビリティが優れたWebサイトはより高い成果を上げられます。ユーザビリティは学習しやすさ、効率性、エラーへの耐性などの要素が含まれます。ユーザビリティの定量評価にはGoogle Analyticsが利用可能です。

例えば、「目標到達プロセス」という機能を利用すれば、問い合わせや購入フォームの手続きのうち、ユーザーがどの段階で手続きを止めてしまったかが分析できます。フォーム入力で離脱が多い場合は、自動入力を増やしたり、入力項目を減らしたりして、フォームの簡素化を進むとユーザビリティが向上します。決済段階で離脱が多い場合は、配送料などの追加費用に対する理解不足やクレジットカードなどの決済手段の少なさが原因かもしれません。データに基づいて、総合的な「使いやすさ」の改善が可能になるのです。

■まとめ

UIとUXは似て非なる概念です。ユーザーインターフェースはA/Bテストを駆使して画面要素の最適化を図る手法が有効であり、ユーザー・エクスペリエンスは自社データと組み合わせて「使いやすさ」の向上を目指すと良いでしょう。

参考文献

http://www.slideshare.net/thomweba/ux-27096746


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