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Google Analyticsの「コホート分析」って現場でどうやって使えばいいの?

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コホート分析は2015年始め頃にGoogle Analyticsへ導入され始めた、新しい機能です。コホート分析の価値は、どのくらいのユーザーがサイトに定着したかを理解できる点にあり、データ分析に優れたマーケティング担当者からは高い評価を受けています。しかし、その特徴的な図表から、現場でどのように使えばよいのか、戸惑いを覚える人もいるでしょう。コホート分析の具体的な活用例を紹介します。

■ユーザーの維持率を測るコホート分析

コホート分析を利用すると、自社サイトに訪れた訪問者の維持率を計測できます。例えば、ある日曜日に訪問してきたユーザーのうち、月曜日には何割が再訪し、火曜日には何パーセントが再訪したか、といった分析が可能です。日別・週別・月別の維持率が算出されるので、それぞれの興味に応じて、どのようにユーザーが維持できているかが理解できます。広告キャンペーンは日別、サイトのリニューアルは週別、そして、コンテンツを含めたサイト全体の満足度は月別のデータから知見が得られるでしょう。

サイト運営やWebサービス開発においては、維持率が最も重要であると言われています。ユーザーが定着する場合、サイトの内容に満足しており、コンバージョンに至る可能性も高まるため、サイトの有用性や商業的価値が高いと考えられるでしょう。また、サイトのファンになっていれば、ソーシャルメディアで共有・拡散して、さらなるユーザーを呼び込んでくれる可能性もあります。新規の顧客獲得には既存顧客の再訪に比べて5倍のコストがかかる、との調査がある通り、ユーザーを定着させることが経済的なサイト運営の基礎となるのです。

1000人のユーザーのうち維持率が3%だった場合と、100人のユーザーのうち維持率が30%だった場合、定着している人数は30人と同数です。しかし、サイトがユーザーに提供している価値を考えると、維持率が30%の方が優れていると言えるでしょう。広告などを通して集客しているユーザーと質の高いコンテンツが合致しているため、高い維持率が達成されているのです。時間をかけてサイトを拡大していけば、1000人のユーザーから3%しか定着しなかったサイトよりも大きく成長していくでしょう。維持率はサイトの長期的な成長に欠かせない指標なのです。

■7日後維持率30%が目安

Google Analyticsでは「ユーザー>コホート分析」を選択すると、コホート分析の表が表示されます。サイズや期間を選択すると、表示範囲の変更が可能です。縦軸には対象のセグメントが入り、横向きに進むと、各期間での維持率が示されます。維持率が高いセルは色が濃く表示されるため、直感的に理解できます。

維持率はどの数値に着目すればよいでしょうか?Webサービス開発においては、翌日、3日、7日、14日後の維持率が用いられるケースが多く見られます。また、ソーシャルゲームでは7日後の維持率30%が目安と言われています。消費者向けのサービスやニュースサイトなどでは、毎日、定期的に訪問される使用方法が想定されるため、日別で維持率を観測し続けると良いでしょう。より専門的なサイトでは、日常的に訪問するわけではないので、週別のデータで分析する場合もあります。

コンバージョンに至ったユーザーとそうでないユーザーの維持率を比較し、サイト定着を促す仕組みを導入するマーケティング戦略に注目が集まっています。例えば、3日後までに再訪したユーザーが、そうでないユーザーに比べてコンバージョンに至った数が多い場合、3日以内の再訪を促す広告戦略が有効になります。3日以内にメールを送信したり、特典や値引きを提供したりすると、ユーザーの定着とその後のコンバージョンの向上が期待できます。例えば、Twitterは良い例だと言えるでしょう。Twitterに新しく登録した際には“まずは7人フォローしましょう“とガイドされます。これは、始めに多くの人をフォローしたユーザーの方が、そうでない人に比べて、一定期間経過後の維持率が高いからだと考えられます。維持率に着目するとユーザー体験を向上させ、サイトを改善するのに役立つのです。

■維持率から参入市場を決定した例

あるモバイルアプリではコホート分析の結果から参入市場を決定したという例があります。海外進出を検討している際に、アプリを試験的にアジアの数か国へ導入し、各国における週別の維持率をコホート分析によって算出しました。ユーザー登録直後2か月間について、一日一回以上アプリを起動したユーザーの比率をKPIとして選択しています。この指標を国別に比較すると、継続率の高い国とそうでない国が明らかになります。

そこで、継続率の高い国では製品と市場ニーズが合致していると考え、有望な国に絞ってアプリを本格展開していく戦略を採用したと言います。継続率への影響は様々なものがあるため、いくつかの仮説が立てられます。スマートフォンの普及率、高速ネットワークのカバー率、アプリマーケットの浸透度などが考えられるでしょう。海外進出の意思決定は多角的に行わなければなりませんが、コホート分析がその一翼を担ったのは間違いありません。

コホート分析は、あるセグメントに絞って維持率を計測するため、因果関係を類推できる点に強みがあります。広告キャンペーンを開始したタイミング、プレスリリースを発表したタイミング、画面デザインをリニューアルしたタイミングなど、特定のイベントと関連付けて維持率を分析すると、その効果が明らかになります。特に、ユーザー登録しただけのユーザーが増えたのか、有料会員登録や商品購入などのコンバージョンまで達成したユーザーが増えたのかに着目すると、投資対効果が理解できるのが魅力です。

■まとめ

コホート分析で算出できるユーザーの維持率は、サイト運営の生命線と言うべきものです。維持率の高いサイトはユーザーの満足度が高く、長期的に成長する可能性を秘めています。広告キャンペーンの時期などと紐づけて分析すると、施策のもたらす効果を理解できるのがコホート分析のメリットと言えるでしょう。

参考文献

https://support.google.com/analytics/answer/6074676?hl=ja

http://analytics.hatenadiary.com/entry/20131118/p1


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