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「不便益」が今こそ有効!?ビジネスやマーケティングへの活用事例

窪田望
窪田望
2022/08/29 00:15

株式会社クリエイターズネクストの窪田です。

「マーケティングと心理学」について考えていくシリーズ。良いコンテンツを作るには、人の心理を知ることは非常に大切なことです。

前回の記事「スノッブ効果×マーケティング」はこちら

第9回目の今回は、不便益について解説し、マーケティング・コンテンツ制作に活かすコツをご紹介します。

便利な時代だからこそ必要な「不便益」とは

今AIが多くの産業で社会実装されるようになって、私たちの生活はどんどん効率的になってきました。

例えば、Spotifyを聞けば、自分が知らなかったような様々な音楽が手に入り、スマートフォンさえあれば、高品質で滑らかな音質で聴くことができる。

こうした体験を誰でも手に入れることができます。

しかしながら、その一方で効率化進んだ社会は、全く真逆のブームが生まれたりするのがマーケティングの面白いところ。

その代表例が今回ご紹介する「不便益」になります。

不便益とは、不便なものをむしろ良かったとか、不便じゃないとむしろダメというものが存在することになります。

お菓子を例に考えてみましょう。クラシエ(旧カネボウ)という会社から1998年に「甘栗むいちゃいました[1]」という商品が発売され、当時一大ブームを巻き起こしました。

開発経緯として、甘栗を食べたいと思っている方は多いものの、蒸すのが大変。蒸してあるのを買っても今度は殻をむくのが大変です。

その問題を解消するために、袋を開ければそのまま甘栗を口に運べる商品を開発したのです。これはユーザーにとっては非常に便利な商品ですよね。

一方、同社で1986年から発売されているロングセラー商品に「ねるねるねるね[2]」というものがあります。

あなたも子どもの時に一度は食べた経験がある方も多いのではないでしょうか。私も大好きで、ずっと練っていたいくらい、粉に水を入れてかき混ぜるとふくらむ謎のお菓子です。

でも、食べてみると、作るのが大変な割に特段美味しいものではありません。ひたすら練ることが何か面白いと感じて、リピートしてします。

このように、不便なのになぜか魅了されてしまう心理のことを不便益というのです。

私たちの生活に浸透している不便益

この不便益は、私たちの生活に当たり前のように溶け込んでいます。

例えば野球というスポーツを切り取ってみましょう。

誰でもヒットが打てるバットが開発されたとしたら、野球というものが成り立たくなってしまうため、ここまで競技人口やファンがいるスポーツにはならなかったはずです。

適当に打っただけでホームラン!ホームラン!ホームラン!みたいに、一生終わらないでコールドゲームになってしまいますよね。

また、本来は便利なのに時と場合によっては不要の産物になるものも存在します。

例えば、ヘリコプターは早く目的地に到着するために便利な乗り物で、救命等の場で活躍しています。

しかしながら、登山者に対して富士山の山頂にヘリで連れて行くのはどうでしょう。

山頂というのはずっと頑張って登ってきたという過程があるから面白いわけで、登るという行為が効率的になってしまうと、何の面白さもなくなってしまうのです

この不便益を応用して「素数」に目を付けたのが京都大学では2013年に「素数ものさし[3]」という物を作りました。

ものさしというのは普通1センチ単位や1ミリ単位で並んでいます。

それを素数にしてしまったのです。結果1.3.5.7みたいな感じでめちゃめちゃ使いづらい、これ何に使っていいのかも正直良くわからない、だけど、何か面白いということなんですね。

一層便利になる世の中だからこそ不便益に目を向けてみよう

現在、昭和のファーストカメラとして大ヒットした「写ルンです」が今になって再ブームしています。

撮ったものはその場で確認できない、現像するためにはカメラ屋さんに持っていって一週間程度待たなければいけない。

スマートフォンで簡単に撮影したものをすぐ見られる現代にあっては、不便以外の何物でもありません。

しかしながら、その不便の中に味のある写真が撮れることに面白さや満足感を見出したのです。

このように、あえて不便にする戦略というのが、今逆にトレンドになってきていることを考えれば、まだ色々な切り口でマーケティングが可能になるのではないでしょうか。

 
 

◎本記事の内容はYouTubeチャンネル「窪田望のアンテナ」でもご覧頂けます!

【不便益とは?】の動画本編はこちら

 

 
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