株式会社クリエイターズネクストの窪田です。
「マーケティングと心理学」について考えていくシリーズ。良いコンテンツを作るには、人の心理を知ることは非常に大切なことです。
→前回の記事「シャルパンティエ効果×マーケティング」はこちら
第2回目の今回は、カクテルパーティー効果について解説し、マーケティングやコンテンツ制作に活かすコツをご紹介します。
目次
どんなに周囲が騒がしいパーティーでも自分の名前だけは正確に聞き取れる
このことをカクテルパーティー効果と言います。
より具体的なシーンをイメージしてみましょう。
例えば、私は窪田望と言いますが、
「窪田さん!」
といきなり山手線で呼ばれたとしたら、「ハッ!?」と振り向いてしまいますよね。
同じように、人がたくさんいる街中でも、
「佐藤さん!」
と言えば、仮にその場に3人の「佐藤」という苗字の方がいたとすれば、一斉に目を向けてしまうはずです。
このようにどんな状況でも、自分が無意識に必要としていたり、重要だと思っている情報が聞き取れてしまう脳の働きを心理学の世界ではカクテルパーティー効果と言います。
この効果は1953年に心理学者のコリン・チェリー氏によって発見されましたが、別の呼び方として、「音声の選択的聴取」とも言います。
つまり、人間は選んで音を聞いている、という特徴を持つ動物なのです。
ではカクテルパーティー効果をマーケティングに活かすとどうなるでしょうか
ここでは一例として、キャッチコピーに応用してみたいと思います。
あなたはこんなキャッチコピーを聞いたことがないでしょうか。
「体脂肪が気になるあなたへ」
このキャッチコピーを聞けば、体脂肪が気になっている人は「ん?」と自然に気になってしまいますよね。
同様に、
「糖質制限しているあなたへ」
というキャッチコピーは、糖質制限している人たちが「おっ?」と思わず耳を傾けるような効果があります。
このようにカクテルパーティー効果は「聴覚版」になりますが、この「視覚版」として目に対象を向けた「カラーバス効果」もあります。
例えば、「そろそろ引っ越したいな」と思っている時、電車やバスの中吊り広告やテレビとかを見ていると、なぜか引っ越し関連の広告が目につくということはないでしょうか?
このように自分が意識しているものは、自然と目に留まりやすくなる心理作用を「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり色の認知に由来してカラーバス効果と呼ばれています。
このカクテルパーティー効果をうまく使って、マーケティングとかキャッチコピーとか作る際には、「地理・人口(役職)・心理」の3つの要素を押さえると良いと言われています。
「品川区にお住まいのあなたへ」
「港区へお住まいのあなたへ」
こうしたキャッチコピーがテレビで流れた場合、それぞれの地域に住んでる人は、
「なんか自分の情報かもしれない」
と感じて、その情報を注視して見聞きするようになります。
人口(役職)に訴えかけるキャッチコピーとしては、例えばこのようなものがあります。
「社長(経営者)は、必ずこれをしなさい!」
「あえて新入社員に知っておいて欲しい○○」
こんな投げかけをされると、これに当てはまる人(役職)の人は思わずドキッとしてしまいます。
心理については「目標や悩み」という要素で考えると分かりやすいです。
「年収○○円を目指したいあなたへ」
「足がめちゃくちゃ臭くて悩んでるあなたへ」
こうした心理状態に訴えかけることで、対象者の興味・関心を惹いて行動を起こさせることができます。
情報で溢れかえっている現代社会。
自社サービスや伝えたいメッセージを必要としている人へ確実に届けるために、また、属性に合ったターゲットを効率的に集客していくためにも、カクテルパーティ効果をマーケティングに活用していきましょう!