株式会社クリエイターズネクストの窪田です。
いよいよ4Pと4Cについての解説シリーズ最終回です!前回は4PのPromotion(広告)で、キャッチコピーにフォーカスしてお話しました。
今回は4PのPlace(流通)とPrice(価格)を変えた戦略についてお伝えしていきます。
ここで4Pと4Cがどのような関係にあるのか、表を見てもう一度おさらいしておきましょう。
4P | 4C |
---|---|
Product(製品) | Customer Value(価値) |
Price(価格) | Customer Cost(コスト) |
Place(流通) | Convenience(利便性) |
Promotion(プロモーション) | Communication(コミュニケーション) |
これまでは4Pのいずれか1つを変えてみる、あるいは4P・4Cそれぞれの横のつながりを結びつけた形で見てきましたが、今回は2つの項目を同時に変えるとどうなるのか、について事例を交えて解説していきたいと思います。
今回の事例で扱う製品は、広島県江田島市に本社を置く、だし道楽の「あごだし」になります。 まず、一般的な製品の4Pを考えてみると、おおよそこのようになると思います。
一方、だし道楽の4P設計はこのようになっています。
ご覧頂くとお分かりのように、最も秀逸だったのが出汁(だし)を自動販売機で売る、という画期的な発想でした。
製品を自動販売機で売る方法には、3つのメリットがあります。
だし道楽の自動販売機は全国展開していますが、東京の六本木や銀座だと当然坪単価が高かったり、平均時給も高いため、店舗展開の場合には相当なコストが必要です。
しかし、自動販売機であれば、最小限の土地の広さで良く、かつ人件費もかからないため、コストを抑えて多くの方に提供することができます。
また、営業時間も考える必要がなく24時間販売できるため、購入者側としてはCustomer Value(価値)が高く、Convenience(利便性)も良い製品として認知され、
さらに「自動販売機で美味しい出汁が24時間購入できる」という、他の製品にはない価値によって、相場より高いPrice(価格)を設定しても売れる構造を作り出すことに成功した事例でした。
このように4Pを1つではなく、2つ以上一緒に変えるチャレンジをしてみることで、4P と4Cの相互にさらに広がりが生まれて、よりマーケティングが面白くなってきます。
ここまで10回に渡って4Pと4Cについて、あらゆる角度から、事例を交えて考え方を示して参りました。
これまでの記事を下記にまとめていますので、自社製品のマーケティングに活かしていただければ幸いです。
■4P・4C全10回シリーズ一覧