小川卓です。Google アナリティクスでは様々なデータを取得できます。ページの閲覧、流入元、リンクのクリック、コンバージョンや売上など。しかしその中で、利用頻度が少ないのがカスタム定義(カスタムディメンション 及び カスタムディメンション)ではないでしょうか?
カスタム定義は上手く活用すればユーザーのことをより深く知ることが出来る重要な機能です。今回はカスタム定義の基本的な考え方や事例を紹介し、次回はそれらの設定と実装方法について紹介していきます。
ページ表示時にURLやブラウザ情報などをGoogle アナリティクスに送っています。このページ表示時にあわせて任意のデータを送るのがカスタム定義です。カスタム定義という名称ではありませんが、これと同じ考え方で取得しているデータが「eコマース」になります。購入完了時に購入した商品名や売上金額、購入個数などを実装することにより計測できます。
eコマーストラッキングに関しては以下をご覧ください
https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/analyticsjs/ecommerce?hl=ja
カスタム定義とは、eコマーストラッキングと同じように、実装をすることにより(一部は実装いらず)、通常の計測項目には無い独自のデータを取得できます。
カスタム定義は「カスタムディメンション」と「カスタム指標」の2種類があり、それぞれ以下のような使い分けを行います。
カスタムディメンション:ディメンション(=分析軸のデータ)を取得するために利用。例えば「会員ID」「検索結果件数」「口コミの数」「ログイン有無」「所持ポイント数」「タイムスタンプ(ページにアクセスした日時)」などが挙げられます
カスタム指標:指標(=集計や計測をしたい単位)を取得するために利用。利用するシーンは少ないですが「累計閲覧数」「スコアリング」「表示された広告数」等が挙げられます
基本的にはカスタムディメンションを使うことが多いです。
例えば、以下はカスタムディメンションを活用し、商品の詳細ページに掲載されていたユーザーレビュー数を取得しています。
カスタム定義に関しては以下の特徴や制限事項があります
・カスタム定義はプロパティ単位で設定します。無料版Google アナリティクス1つのプロパティで設定できる上限はカスタムディメンションで20個、カスタム指標で20個となります
・(目標設定と同様に)作成した後に削除は出来ません。使いまわしは出来ますが、過去のデータにさかのぼって変更が反映されるわけではありません
・カスタムディメンションや指標に関しては通常のレポートでは表示されません。「カスタムレポート」を使って自分でカスタムディメンションや指標入りのレポートを作成する必要があります。
ただし通常のレポートでも「セグメント」の条件としてカスタムディメンションや指標を使うことは可能です。
次回はGoogle Tag Managerを使って、どのようにデータを取得するか。実例を紹介いたします。
少しとっつきにくいカスタムディメンションや指標ですが、利用することで「本当は見たかったデータ」「サイトやユーザーの理解が進む情報」などを取得出来るようになります。まずは自社サイトで「こんなデータ取得してみたいな」というのを洗い出してみるとよいでしょう!
【著者プロフィール】
小川 卓(おがわ たく)
ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。
主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。
※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
→小川卓さんによる寄稿記事を読む