Googleアナリティクス

明確なゴールが無いサイトで見るべき指標とは?(観光情報サイトの場合)

taku-ogawa
taku-ogawa
2018/12/03 06:23

小川卓です。ここ数か月様々な観光協会で講演する機会をいただきました。その時に話題に上がったのがゴールとKPI設計。地元の情報をアピールするサイトでは、サイト上に明確なゴールが無いことから、どのように設定すればよいか?を迷うことが多いようです。

そこで今回は観光情報サイトではどのような指標を見ればよいか?それを紹介していきます。今回は愛媛県のサイトを取り上げてみました。


愛媛県の公式観光サイト【いよ観ネット】
https://www.iyokannet.jp/

サイトの概要

「いよ観ネット」は愛媛県に関する情報発信を行っている、一般社団法人 愛媛県観光物産協会が運営しているサイトです。サイトでは愛媛の様々な魅力を伝えるためのコンテンツが用意されています。スポットやイベント、観光や宿泊情報など多岐に渡ります。

しかしサイト上では何か商品を購入したり、宿を予約したりといった明確なアクションがありません。このようなサイトの場合はどのような指標を見るべきなのでしょうか?いくつか筆者が考えてみました。

1:訪問者をエリア別に確認する

ウェブサイトを訪れた訪問者数を評価することはあまりお勧めしません。様々なデータやニーズが混じっている事が考えれます。そこで大切なのは訪問者を以下の3つにわけることです。「愛媛県内」「その他国内」「国外」で見るという事です。

これにより訪問者が増加や減少した場合、どこが増えているかを確認することが出来ますし、国外からのニーズを把握することも可能です。

2:重要ページへの訪問を定義して計測する

ウェブサイトのページには必ず強弱があります。サイトの目的が「愛媛のことを知ってもらい、実際に来てもらう」という事であれば、トップページだけ見たユーザーはその目的を達することが出来ないでしょう。大切なのはサイトにおいて重要なページを定義し、それを指標として確認していくことです。

今回の「いよ観」のサイトでは、以下のようなページが該当すると言えるのはないでしょうか。

■スポットの詳細ページ(URLに/spot/含む)
https://www.iyokannet.jp/spot/1697

■イベントの詳細ページ(URLに/event/含む)
https://www.iyokannet.jp/event/5177

■宿の詳細ページ(URLに/reserve/含む)
https://www.iyokannet.jp/reserve/7014

■アクセスで出発地を選ぶ
https://www.iyokannet.jp/access/kengai/osaka/matsuyama


3:重要なアクションを計測する

ページ閲覧だけではなく、サイト内で行った来県に繋がりそうな重要アクションあるいは「興味関心」を指標として見ることも重要です。以下のようなアクションを「イベント計測」するとよいでしょう。

■宿やモデルコースの詳細ページで「マイリストに追加」

■他サイトへの遷移
https://www.iyokannet.jp/feature/mikan/souvenir
例)お土産ページから店舗へのリンクをクリック

 

4:県外から県内に来た人を計測する

最終的なゴールは実際に観光で来てもらう事です。これはどのように計測すればよいのか?実際に来た人がサイトを見て来たかは分かりません。しかし、その一部は計測できるかもしれません。

Google アナリティクスのセグメント機能を使って「愛媛県外の訪問」から「愛媛県内の訪問」に変わったユーザーの数を計測するという手法です。

今回のサイトの場合は、以下のようなセグメントになります。

シーケンスのセグメントを「ユーザー」単位で作成し、ステップ1に「愛媛県外」ステップ2に「愛媛県内」というセグメントを作成します。

このセグメントをつけば、同じデバイスを使っている前提ですが、愛媛県外から訪問した後に、愛媛県内で訪問したユーザー数を把握することが出来ます。これを「実際に来たユーザー」と定義してその数値の変化を見たり、来る人がどういったページを見ていたか?を把握することが可能です。

 

 

まとめ

明確にゴールがウェブサイト上に無いサイトでも、工夫をすることで見るべき指標を設定することができます。コーポレートサイトでも同じような考え方で活かせるのではないでしょうか。ぜひ今回の例を参考に自社サイトやクライアントのサイトでも目標設定に取り組んでみてください。

 

小川卓 プロフィール画像

【著者プロフィール】

小川 卓(おがわ たく)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンで勤務後、フリーに。複数社の社外取締役やデジタルハリウッド大学院の客員教授として活動.。コンサルティング・勉強会・執筆に従事。

主な著書に「ウェブ分析論」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」「あなたのアクセスはいつも誰かに見られている」など。

※KOBITブログでは、毎月1~2本程度、小川卓さんに記事を寄稿いただいております。
どれも興味深い記事となっておりますので、ぜひ他の記事もご覧下さい。
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