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中国製スマホのインド市場マーケティング・成功例と失敗例

この記事は約 11分 で読めます。


皆さん、One Plusを知っていますか。

 

Pete LauCarl Peiによって2013年12月に設立されたShenzenベースのスマートフォン会社から発売されているのがOne Plusです。

このブランドは、OPPOやVIVOのような他のスマートフォンを所有する中国に本拠を置くBBKエレクトロニクス社によって発表されています。 

Pete LauCarl PeiはOne Plusを通じ「高品質でシンプルでユーザーフレンドリーな製品を生み出すこと」を目指しており、テクノロジーに慣れている消費者たちにとって、高価過ぎるスマートフォンは、もう必要ないと考えています。

 

OnePlusがインド上陸

このブランドは、2014年12月にインドに初めて導入され、OnePlusのコンセプトに共感したユーザーが集まり、インド国内で100万台以上の携帯電話を販売しています。

OnePlusは「消費者の財布に負担がなく、優れたデザイン、スペックおよび便利さを備えた携帯電話」というポジションを勝ち取るため、インド市場に参入しました。

One PlusはApple、Nexus、Samsungなどの大手ブランドと、その他150以上のブランドが存在するインド市場において、一気に人気のあるスマートフォンブランドにかけあがりました。

アンケート調査によると、スマートフォンユーザーの85%が他の主要ブランドからOnePlusに切り替わったといわれています。

 

なぜ、One Plusはそこまでインドで人気のスマートフォンになることができたのでしょうか。

 

今回の記事では、One Plusのインドにおけるマーケティング戦略について紹介します。

 

One Plusのインド・マーケティング戦略〜オンライン編〜

OnePlusのマーケティング担当者は、Lean Startup Methodology(Build> Measure> Learn)を使用しました。Lean Startup Methodologyとは、

コストをそれほどかけずに最低限の製品や、最低限のサービス、最低限の機能を持った試作品を短期間で作り、顧客に提供することで顧客の反応を観察。その観察結果を分析し、製品、サービスが市場に受け入れられるか否か判断し(市場価値が無ければ撤退も考慮)試作品やサービスに改善を施し、機能などを追加して再び顧客に提供する。Wikipediaより

 

このサイクルを繰り返すことで、起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まると言われています。迅速な導入、調査、調整が必要です。

会社側の大きな決断の一つに、立ち上げ時に従来の広告を捨てるという戦略がありました。この考えは、ユーザーに利益還元するため広告費を制限するというものでした。

世界各国にある成長するテクノロジー関連のコミュニティは、OnePlusの動きに注目し、その成長の後押しになる機会を与えました。

 OnePlusはマーケティングキャンペーンにおいて、競合他社との競争優位性も保ちながら、独自のユニークな提案も発表していました。

ロンドンでは、£60以上の購入で送料無料を発表。さらに「60分以内に発送しますキャンペーン」を実施し、60分以内に発送が完了しなければ無料となる独自のキャンペーンも実施しました。

OnePlusのお客様は、大都市の住む15歳から45歳の男性と女性と言われています。オンラインで商品を購入しようとするこの層は、従来のマーケティング・スキームを好まない傾向にあります。彼らは独自のマーケティングキャンペーンを実施するため、社内チームでの議論を重ね、従来のマーケティング手法に安易に頼ることをやめました。

何百万人もがアクセスするメディアに広告を出す他の企業と比べて、独創的なマーケティング・ルートを採用することで、OnePlusは業界での地位を固めることができました。インド市場での収益の40%を占めるOne Plusのマーケティング手法について、更に深掘りしていきたいと思います。

 

招待システムを作る

招待制はムーブメントを起こしました。One Plusの購入は「招待制」という仕組みを取ることで、ちょっとだけ特別感を感じ、ワクワクしてしまうのです。

最初にアクセスできるのは、OnePlusの従業員と、その人が教えたいと思った友人だけでした。この手法により、他の人々の興味関心を高め、インフルエンサーのグループを作り、ブランドとしての価値を高めることに成功しました。

 

 

インフルエンサーマーケティング

OnePlusはインフルエンサーのマーケティングを更に高いレベルで実施しました。

One PlusはさまざまなAndroidアプリ開発関連のディスカッションを行うことができる、技術者のためのプラットフィームを構築しました。

この仕組みにより、愛好家たちが自然に集い語り合う場ができました。今や80万人の会員コミュニティになり、One Plusはインドで最も売れている携帯電話の1つになることができました。

 

Amazon、Ola&Air Asiaと提携

OnePlusがリリースしたとき、一番最初にインド企業で連携をしたのはAmazonIndiaでした。その連携によりあっという間に2万台以上の携帯電話を販売することに成功しました。

さらにOne Plusは、インド系配車アプリOlaと航空会社Air Asiaと連携し、「両サービスの顧客にOne Plusを無料体験させる」という戦略を実施しました。また、OnePlus Xを発売した際には「Olaアプリを通じてOnePlusを購入すれば、15分以内に配送される」というユニークなキャンペーンを実施しました。

 

Unboxing Ceremony

「unboxing ceremony」を直訳すると「開封の儀」と翻訳されますが、このアイディアでネット上で非常に有名です。これはiPhone unboxingキャンペーンに似ていましたが、有名なコメディアンBiswa Kalyan Rathをフィーチャーしたビデオは、若い人を中心にヒットしました。

 

 

有名人とのコラボレーション

One Plusは伝統的な広告方法ではなく、新しい方法に果敢に挑戦しましたが、インド市場において「有名人を広告に出す」とは最も有効的な方法の一つであると判断しました。

そのため最終的には、俳優のAmitabh Bachchan、Sushant Singh Rajput、シェフのVikas Khanna、コメディアンのVir Dasなど、著名人とコラボレーションすることになったようです。

さまざまな業界のアーティストを選別することは、大衆にアピールするためのOnePlusの戦略でした。

インドの著名人が出演するプロモーション動画

 

続いて、オフラインでのOne Plusのマーケティング戦略についてです。

 

One Plusのインド・マーケティング戦略〜オフライン編〜

劇場での宣伝

OnePlusは、デリー、ムンバイ、バンガロール、ハイデラバード、プネのPVR劇場でOnePlus 5の発売をライブで上映しました。ファンは、BookMyShowのRs.99相当のチケットを購入しました。

ポップアップストア

OnePlusは、インド市場の多くの人々が購入前にデバイスに直接触れて体験してほしいと考えていました。このニーズに応えるために、OnePlusはいくつかのモールとメトロ都市のハイストリートにポップアップショップを設置しました。 Cromaという総合電化製品店舗とのパートナーシップを締結し、ユーザーが製品を直接体験できるようにしました。

 

テレビ広告

OnePlusは、インドvs.パキスタン選手権試合の間(両国間の試合はインド国民に非常に高い人気を誇る。サッカーの日韓戦のような位置づけ)OnePlus 5の広告全体を打ちました。多額の費用がかかり、王道な広告ではありますが、最も視聴率が取れる期間に的を絞り、多くの人に認知してもらう戦略を取りました。

 

 

そしてここからは、OnePlusのインドでの失敗したマーケティングについていくつか紹介します。

 

One Plusのインドにおける失敗マーケティング事例

レディースファーストキャンペーン

このキャンペーンは女性の顧客を集めるため、2014年8月に開始されました。OnePlusのロゴを自分の体に描いて自分の写真をアップロードし、投票を得た人はOne Plusをゲットできるというキャンペーンを打ったのですが、ソーシャルメディアの反応が非常に否定的であり、直ちに中止になりました。

 

スマッシュ・ザ・パスト

このキャンペーンは「OnePlus携帯電話の購入券を得るために、古い携帯電話を壊す様子をビデオを撮影する」ように顧客に告知したキャンペーンだったのですが、非常に多くの批判と悪評が広がる結果になってしまいました。

 

このような形でOne Plusはインド市場にてさまざまな戦略を立て、マーケティングを進めていきました。結果、OnePlusはわずか4年で巨大な市場を獲得しました。

 

上記の事例からインドマーケティング担当者が注目する3つの重要なレッスンは、次のとおりです。

 

インドマーケティング3つのポイント

インフルエンサーの活用

OnePlusは、インフルエンサーマーケティングの力を使って自社の製品についての意識を高めました。ブランドの独自フォーラムを使用してコミュニティを構築することは、画期的なアイディアでした。

 

タイムリーダメージコントロール

ブランドのソーシャルメディアキャンペーンが否定的な反応と批判を受けたとき、彼らの対応は一瞬でした。駄目だと思ったものはすぐに引っ込めて謝罪することで、最小限の傷に抑えることは非常に重要です。

 

在庫管理

One Plusはすべての古いモデルが販売されるまで新しいモデルをリリースせず、在庫の無駄がないようにしました。

 

以上の3点であると考えられています。

 

このように、One Plusでのマーケティングは、特別なものはあまりないですが、インパクトがあるものが多く、ライバルの多いインド市場においてブランドとしての価値を認知させていきました。

韓国系、中国、そして米系のスマートフォンが激しいシェア争奪戦を繰り広げていますので、ぜひそれぞれのマーケティング手法を参考にしてみてください。

今回はOne Plusの事例を紹介しました。

 

 

この記事の筆者▷大角佳代/Kayo Osumi

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドで人材紹介会社にて現地採用で就業。インドで働き始めて毎日1本インドブログを更新し、2017年末まで400本ほど記事を更新。現地法人のCEOインタビューなどを重ねてきた。

2018年1月から東京拠点に移し「インド市場に挑戦する日本人を応援したい」という思いで、インドビジネス情報を発信しながら、現地とのコネクションを使い日系企業のインド進出サポートをしている。

ブログ:https://kayoreena920.com/

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