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定義から実施・管理まで ブランドを構築するための6ステップ

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Infographics numbered 6 steps up of ladder and  doorway with sun

ビジネスの成長を実現するヒントとなるブランディングやコミュニティ戦略・マーケティング戦略について紹介していく連載「ブランディングからはじめるマーケティング」。

前回の「3i」モデルと2つの軸から考えるブランドの構成要素では、ブランドを構成する要素について、フィリップ・コトラーの提唱する3iモデルやアドワークス社の提唱する二つの軸の話を交えながらご紹介しました。

第四回目となる今回は、ここまでの話を踏まえた上で、実際にブランドを構築するためのステップについて解説していきます。

「ブランディングからはじめるマーケティング」連載一覧

・第一回:ブランディングとは何か?これまでのブランド論を遡ってみる

・第二回:変化するブランドの位置づけと、コトラーの「マーケティング3.0」

・第三回:「3i」モデルと2つの軸から考えるブランドの構成要素

ブランドを構築するための手順

ブランド・アイデンティティの定義

ブランドを構築する上で最も重要なのは、その初めのステップであるブランド・アイデンティティの定義です。
ブランド・アイデンティティは、誰に何の価値をどのように提供するか端的な言葉で表現します。そこに正解はなく、経営者の理念や社会環境に応じて、ユニークなポジショニングを見出さなければなりません。表面的な商品ではなく、本質的な価値を追求する点が難しく、知的作業が求められます。

スターバックスが提供しているのは何でしょうか?ブランド・アイデンティティの観点では、コーヒーを売っているのではなく、家庭でも職場でもない第三の空間「サード・プレイス」を提供していると同社は定義します。
コーヒーを飲みながら読書をしたり、パソコンを開いてモバイル環境で仕事をしたりするための新たな市場を開拓したのは、スターバックスの独自のコンセプトがあります。

顧客との約束「ブランド・プロミス」

ブランドは自社が顧客に抱いて欲しい価値を抽象的な言葉で表現します。この言葉はブランドが顧客と結ぶ「約束」であり、ブランド・プロミスと呼ばれます。
「新製品が安い(ケーズデンキ)」「うまい、やすい、はやい(吉野家)」「カラダにピース(カルピス)」これらの例は全てブランド・プロミスと考えられます。顧客に提供する価値を端的に表現しています。[1]

顧客との約束を破ってしまえば、そのブランドは信頼を失い、その商品は本来の価値を認めてもらえなくなってしまいます。
三菱自動車は2016年に燃費データの不正が報じられましたが、もともと「環境への貢献、走る歓び、確かな安心」をブランド・プロミスとして掲げていました。

ブランドが表現した文言と、実際に行っている行動が合致していなければ、大きな経営上の痛手となるでしょう。ブランド・プロミスは事業運営全てで守られるべきもので、全社員が責任を負うべきものです。

ブランド・パーソナリティの立案

ブランドの個性やキャラクターを顧客にどう感じてほしいかを検討します。先進性をアピールしたいのか、信頼感や親しみやすさを表現したいのか。一人の仮想的な人格(ペルソナ)を検討するのと同じように、そのブランドが持つ性格を定義するステップです。

アップルの製品は常にシンプルで洗練されたデザインであり、革新的なユーザー体験を提供し、マニュアルがなくても使えるような簡単さが特徴です。ブランド・パーソナリティがどの製品にも等しく反映されている例と言えるでしょう。

ブランド・シンボルの設計

抽象的なブランドの表現が定まった後は、可視化できるブランド要素を定義します。[2]ユーザーが記憶しやすいような名前やロゴ、色合い、アイコンや図、写真などが含まれます。

また、広告などで消費者とコミュニケーションする際には、キャッチコピーがブランドの印象を形成します。

ブランディングの実施

定義したブランド価値を社内で共有し、事業運営のあらゆる活動に反映させます。Webサイトの見栄えなど目に触れる部分はもちろん、店舗での接客やコールセンターの対応など、全ての体験がブランディングの一部と考える必要があります。

ブランドでハイエンドな路線を規定したのにも関わらず、短期的な売り上げを求めるために、マーケティング担当者が安易に値下げを繰り返すような施策を行ってはいけません。親しみやすさをブランド・プロミスに含めたのであれば、顧客対応マニュアルは徹底して磨き上げ、接客を担当する従業員には高度な訓練を施す必要があるでしょう。
ブランディングは包括的な対応が必要とされる経営課題です。

ブランディングの管理

価値観や技術の変化によって事業環境は変わり、ブランドの位置づけも影響を受ける可能性があります。そのため、ブランディングの結果は適宜、評価を行い、見直しを行う必要があります。

例えば、アップルは2007年にアップル・コンピュータからアップルへと改名しています。これはiTunesなどのサービス提供が増えるに従い、ブランドが提供する価値がコンピュータに限らなくなったことを意味しています。

また、高品質な商品を低価格で提供するユニクロは、よりトレンド性・ファッション性を追求する事業を始めるにあたりGUという別ブランドを立ち上げました。[3]ブランド・プロミスが異なれば、一つのブランドではなく、別ブランドとする意味があります。

まとめ

ブランドの構築は、

  1. アイデンティティの定義
  2. 顧客との約束(ブランド・プロミス)
  3. パーソナリティの立案
  4. シンボルの設計
  5. ブランディングの実施
  6. ブランディングの管理

の順で行われます。

価値を表すシンプルで抽象的な言葉で顧客の心を掴むところから、その段階で得た顧客の信頼を裏切らないよう実施・管理していくまでがブランディングです。

Webサイトや広告だけでなく、接客やコールセンターの対応などについても「これもブランディングの一部である」という意識を持って取り組むようにしましょう。

[1] http://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/brand-promise 

[2] http://column.cuebs.co.jp/branding.html#chap05 

[3] http://clubd.co.jp/wp/post-51396 


さあ、KOBITをスタートしよう。