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ブランディングとは何か?これまでのブランド論を遡ってみる

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Branding Blue Hanging Signboard

「牛丼チェーンと言えば?」「価格比較サイトと聞いて真っ先に思い浮かぶものは?」「お金が潤沢にあるとして、どの高級車を買いたい?」答えは人によって違うかもしれません。しかし、生活者の心の中に存在する企業や製品がブランドです。

ブランドは一度の施策で形成されるものではなく、総合的な体験によって生活者の心に響くものです。ロゴや広告や価格といった短期的な視点だけではなく、人の感情を揺さぶるような体験がブランドの構築を助け、ビジネスの成長につながります。

今回からは、「ブランディングからはじめるマーケティング」と題して、ビジネスの成長を実現するヒントとなるブランディングやコミュニティ戦略・マーケティング戦略についてご紹介していきます。

従来のマーケティング戦略に限界を感じているマーケティング担当者や、自社の存在意義を再定義し事業の成長を実現した経営者の方々などに有益な内容となっておりますので、対象となる方やブランディングに興味のある方はぜひご覧になってみてください。

ブランディングとは何か?

ブランド論は20世紀後半に盛り上がってきた分野です。[1]大量生産方式の広がりによって供給量が大幅に増加したため買い手が選択する余地が増えてきた点と、テレビの本格展開によってマスメディアが発達してきた点が、その背景にあります。
モノを作るだけでは利益が上げられず、顧客に選択してもらうための方法としてブランド論が進化してきました。

時期

1950年代

1980年代

1990年代

2000年代

2010年代

ブランドが表すもの

広告表現

無形の経営資産

あるべき姿

感覚・感情・経験

社会問題の解決

ブランドの価値

ブランド・イメージ

ブランド・エクイティ

ブランド・アイデンティティ

ブランド・エクスペリエンス

ソーシャルグッド

表:ブランド論の変遷

年代ごとのブランド論

1950年代

1950年代はブランドを広告表現と捉える考えが主流でした。広告の父と呼ばれるデイヴィッド・オグルヴィが、現在の使われている用法としての「ブランド」という言葉を初めて使ったと言われています。
ニューヨークのマディソン街で多くの広告代理店が開業され、印象深いキャッチコピーや画像・映像によってブランド・イメージを形成すると考えられていました。

1980年代

1980年代にはブランドを無形の経営資産と捉える動きが現れます。販売される商品にブランドが付加されると商品の価値が増加されるため、企業にとっての資産価値になるという考えです。

カリフォルニア大学バークレー校のデービッド・アーカーはブランドが有する資産価値をブランド・エクイティと呼びました。[2]以前のブランド論に比べ、販売・マーケティングよりも、経営戦略としての色合いが濃くなったのが特徴です。
M&Aが増加してきた1980年代において、企業価値算出を行う際にブランドを無形資産として計上しようと考えたのが背景にあるとされます。[3]

1990年代

1990年代からはブランドを「あるべき姿」と捉える考えが生まれ、現在のブランド論でも中心的なアプローチとなっています。
前述のデービッド・アーカーは「そのブランドにこうなってほしいと強く願うイメージを、はっきりと言葉で説明したもの」をブランド・アイデンティティと定義しました。

例えば、スポーツブランドのナイキは「スポーツ選手によるスポーツ選手のための企業」と自社のブランド・アイデンティティを定め、それに従うように商品開発やプロモーション戦略の隅々まで浸透させています。アスリートを徹底的に支援し、そのアスリートがオリンピックやワールドカップで活躍する姿を消費者に届け、その熱狂を販売へとつなげるというブランド戦略です。[4]

2000年代

2000年代からはブランドに感覚や感情、経験を含める考えが現れます。ブランド・エクスペリエンス論とも呼ばれ、実際に製品を使用したかどうかに関わらず、企業と消費者の様々な接触を通じて、ブランドに対する知識・理解・親近感が消費者の中に蓄積されていくと考えます。[5]

製品だけではなく、店舗での接客や購買後のカスタマーサポート、テレビCMから受ける印象、人前でその商品を使ったときに抱く感情など、あらゆる体験がブランドを形成する過程となるのです。

2010年代

2010年代もブランドの議論は続いています。特に、注目されている理論がソーシャルグッドです。[6]

社会をより良くしようという気持ちや利他的な行為によって、より多くの人をブランドに巻き込んでいきます。環境問題、温暖化、貧困、食糧、教育、格差、障がい者、人権、多様性などの様々な社会問題を解決しながら、ビジネス上の成長を実現します。[7]

単に寄付などを行うのとは異なり、社会問題の解決が企業のファンや新規顧客の増加につながることを目指します。例えば、世界的な生活用品メーカーのユニリーバは「環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスを2倍に」という企業ビジョンを掲げ、自社の成長や信頼性の向上を図っています。

モノがあふれるようになった先進国では特に、社会的な価値がブランド価値を向上させる傾向があります。製品の機能でも、広告のキャッチコピーでもなく、その企業が体現する思想に顧客は魅せられるのです。

まとめ

ブランド論は、世の中に存在する数多くの製品の中から、自社の製品を顧客に選択してもらうための方法として進化してきました。

かつて、ブランディングといえば広告表現が中心でしたが、現代はそれだけでなく、製品を通して得る体験や製品を作る企業の姿勢、それらすべてを含めたものが「ブランド」と呼ばれるようになりつつあります。

[1] https://www.advertimes.com/20160428/article223734/2/ 

[2] https://kotobank.jp/word/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3-8325

[3] https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11950.html 

[4] http://ameblo.jp/masajimogul/entry-11013030193.html 

[5] http://www.wunderman-d.com/column/glossary/japanese/ha/ha.html 

[6] http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40270 

[7] http://www.alterna.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2014/11/hiza_resized.pdf


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